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神鳥伝説 (1991)

九一神鵰侠侶/SAVIOR OF THE SOUL

監督
デヴィッド・ライ
ユン・ケイ
ジェフ・ラウ
  • みたいムービー 3
  • みたログ 37

3.67 / 評価:6件

独特な、それでいてあまりにも独特な

  • lamlam_pachanga さん
  • 2011年4月15日 5時39分
  • 閲覧数 422
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

1980年代後半~90年代初期にかけて、アンディ・ラウほど日の出の勢いと言う言葉の似合う映画スターはいなかったでしょう。演じる役柄に幅がなかったのは事実ですが(典型的な二枚目スターですからある意味仕方ない)、それでも若手スターの中では異常なくらいの出演ペースを続けており、正直、チャウ・シンチーの前に苦戦を強いられていたジャッキー・チェンやチョウ・ユンファ以上に勢いがあったと記憶しています。

そんなアンディ・ラウが、91年に突然映画製作会社・天幕電影公司(チームワーク)を設立し、ある映画の製作に乗り出します。その第一回作品に選ばれたのが、ウォン・カーワイの脚本による『神鳥伝説』。

日本ではほとんど知られていない映画だとは思いますが、実はこの『神鳥伝説』は、一介の若手映画スターによる製作会社(天幕)の設立と相俟って、製作当時には結構な話題となった映画なんです。

当然、話題となったのは何もアンディ・ラウの会社設立だけが注目されたわけではなく、何よりも豪華共演陣が目を惹いたのが大きい。ダブル・ヒロインには御大アニタ・ムイとアイドルのグロリア・イップ、仇役にアーロン・クォック、そしてケニー・ビーやカリーナ・ラウまでも出演している映画が話題にならないわけがない(香港映画ファン以外にはピンとこないでしょうけどね)。

製作当時から話題となった『神鳥伝説』でしたが、完成した映画はあまりにも特異な映画に仕上がっており、別の意味で話題となることに。

この映画のインパクトは、結構なものでした。

正直、面白いかどうかを問われると答えに詰まります。

何よりも相当に支離滅裂な物語ですし、奇妙奇天烈な世界観ながら、どこか弛緩した空気が全編に漂い、それでいて見応えのあるアクションやドラマが展開されたかと思えば、妙に間の抜けた会話が繰り広げられたり。

傑作、或いは名作と呼ばれる映画の180度向こう側にいてくれたのなら、単純に凡作、または駄作と切って捨てられたものを、意味もなく一周しちゃってるものだから、どう評して良いのか解らない、と言うのが私の感想。

先のレビュアーさんも述べられてますが、どうにも不思議な印象を与える独特な映画であるのは間違いありません(苦笑)

物語は、ファンタジー・アクションと言うべきなんでしょうかね。

男二人、女一人の三人組の賞金稼ぎであるティン(アンディ・ラウ)、チェン(ケニー・ビー)、クワン(アニタ・ムイ)の間には微妙な三角関係が成り立っていた。ティンはクワンに恋心を抱くがそれを言い出せず、その気持ちを知らないチェンはクワンを口説く。そんなある日、殺し屋(アーロン・クォック)に襲われたクワンの身代わりでチェンが死亡してしまい、ティンまでも巻き添えになることを恐れたクワンは彼の前から姿を消す。傷心のティンはチェンの妹(グロリア・イップ)を引き取り、一人前の賞金稼ぎに育てることで過去と訣別しようとする。チェンの妹は、そんなティンの姿にほのかな恋心を寄せる。

あらすじはこんな感じなんですが、まあ、実際に映画をご覧になるとその印象は全く違うものになると思います(笑)

悲劇のドラマとして撮れば良いものをコメディにしていたり、三角関係による恋愛劇を見せるところにアクションをぶち込んだり、それらの土台となる世界観そのものも奥行きがあるんだかないんだか全く解らない設定だったり。

こう言う映画は褒められるべきではないんでしょうが、私には、それはバランスが悪いのではなく、あまりにも不可思議なバランスの上に(あくまで結果的に)成り立ってしまっているとしか言いようがないんですね。

この絶妙(人によっては支離滅裂)な世界観と物語と演出が、「香港映画特有の」ではなく、「香港映画の中でも独特の」奇妙過ぎる映画を生んだ要因だとは思いますが、そんな映画にこれだけ多くのスターが大挙出演しているってのも妙な話です。

想像に過ぎませんが、多分、ウォン・カーワイの脚本自体が訳のわからぬ代物で、それにそれぞれに個性の違う職人監督が三人(ジェフ・ラウ、コリー・ユン、デヴィッド・ライ)も絡んだものだから、こんなに奇妙で独特なバランスが構築されてしまったのだと思います。

はっきり言います。

この映画は娯楽映画ですが、娯楽作としては失敗作です。所詮、カルト映画の類として評価されるだけの代物だとも思います。

他人(ひと)に薦めるべき映画ではないし、私は決して薦めませんが、好き嫌いを問われたのなら、「説明出来ないけれど妙な魅力のある映画」だと答えるでしょう。

そう言えば、アンディ・ラウの歌う主題歌(エンディング・テーマ)が妙に気に入って、そのために何度もビデオをレンタルしたことを今思い出しました(笑)

詳細評価

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