アマチュア

AMATOR

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アマチュア
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(6件)

切ない30.8%知的23.1%悲しい15.4%コミカル15.4%恐怖7.7%

  • 一人旅

    4.0

    過去を生きる男と今を生きる女

    クシシュトフ・キエシロフスキー監督作。 妻・イルカと生まれたばかりの娘と暮らす工員フィリップが、8ミリカメラを手に入れたことをきっかけに映画作りに没頭していく様子を描いたドラマ。 映画作りが原因で疎遠になっていくフィリップとイルカ。生まれたばかりの娘の世話は妻に任せっきりで、一家の大黒柱であるフィリップは映画を撮影することだけに全神経を注ぐ。 フィリップはありのままの現実を映すことに意義を感じているようだが、カメラのレンズを通して見る映像はフィリップの現実ではない。身近にあるはずの最愛の妻と娘の穏やかな生活というフィリップ自身の現実をないがしろにして、レンズが映した現実ばかりに夢中になる。現実を映すことを追い求めるあまり、自分自身の現実を忘れてしまうという皮肉。 「君が見る現実は全てが灰色なんだろ?」と、工場長がフィリップを諭す場面が印象的だ。まさにその通りで、フィリップの現実はカメラが映したモノクロの映像だけだ。 そして終盤、自らがカメラの被写体となって妻との思い出を語るフィリップの孤独な姿が物悲しく、『血を吸うカメラ』のラストシーンと基本的な意味合いは同じ。カメラが映すのは被写体であるフィリップの現実であり、フィリップが自分自身の現実を見つめ直す瞬間として描かれる。 カメラは現実を記録する。人々の幸せな光景をカメラに収めれば、それは記録としていつまでも残り続ける。つまり、フィリップが今まで散々向き合ってきた現実は、未来ではなく過去に向かうものなのだ。一方で、フィリップ自身の現実は未来へ向けて現在進行形で変化していく生もの。フィリップの置かれた環境の変化や、彼に対する妻の心情の変化がそれを象徴している。過去に取り残されたフィリップの今の現実に、妻子との幸福な生活はもう存在しない。フィリップがカメラから離れる時、フィリップが拘ってきた過去の現実と、フィリップ自身の現在の空虚な現実のギャップを痛感することになるのだ。 何かに夢中になるあまり、自分自身の掛け替えのない現実を忘れていく男の姿をつぶさに見つめたキエシロフスキー監督初期の作品。イエルジー・スチュエルとマウゴジャータ・ジャブコウスカが、過去を生きるフィリップと今を生きる妻・イルカをそれぞれ好演している。

  • nob********

    5.0

    男って、1度のめり込むと心血注いじゃう

    んだよ!!と共、思わしてくれたそんな作品だった!(*´▽`*) 自分も映画やら歴史物のゲームでも、一度ハマると一生涯捧げるのかってぐらいに毎日その事ばかりに必死に心血を注いでは、親とかに止められたり、怒られたりしてた(^◇^;)www よく、ガンプラや切手でも何でも、好きが講じて、全部コレクションしようとして家族や奥さんに怒られるとか聞いたりするけど(*´▽`*) 男は1度、何かにハマるとついついそうなっちゃうんだよね!(*゚∀゚*) もちろん、みんながみんなじゃないけどね(^◇^;)w だから、主人公がたまたま手に取ったカメラで撮影したのが評価された嬉しさでハマって、のめり込んで心血を注ぎすぎた余りに度が過ぎて、周りから避けられる切なさも、ここまでは無くとも何となく分かるんだよね(^◇^;)w それに、凝るあまりに式典の記念ビデオだけど、メイキングチックな感じで休憩する所とか会議中のシーンを撮影してしまったのをよく思わずに会社ぐるみで無かった事にしようとするのも、今の時代なら特に日本はそういう事するだろうから、そこのリアリティーというか、キェシロフスキの先見の明はすごいね!! この映画はまさに社会派時代のキェシロフスキの真骨頂に相応しく、メッチャ面白い映画だった!!(´ー`)

  • jdv********

    5.0

    ネタバレ一番知る必要のあった物

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • tat********

    3.0

    そしてカメラマニアは愛に帰る

    ロマン・ポランスキー、アンジェイ・ワイダと並ぶポーランドの巨匠クシシュトフ・キシェロフスキー初期の中編作品である。ポランスキーが「閉塞する人間」、ワイダが「抵抗する人間」を描いたとすれば、(おおざっぱに言って)キシェロフスキーは「愛に帰る人間」を描こうとしたのではないか。ドイツとソ連という大国にはさまれたポーランドの引き裂かれた歴史についてはいまさらここで述べるまでもないが、三巨匠がこのポーランドの悲惨な歴史の影響を色濃く受けて映画を撮りつづけてきたことはほぼ間違いないだろう。 女の子が生まれ狂喜するモスは、我娘の生長記録を撮ろうと給料の3倍もするロシア製8ミリビデオカメラを購入する。モスがカメラを持っていることを知った工場長が、工場の祝典祭をビデオに撮るようモスに指示。会社がその作品を映画協会に送ったところ予想外の評価を受け、モスは8ミリ映画作りの面白さにはまっていくが、のめりこみすぎのあまり会社や家族から見放されてしまうといったストーリー立てになっている。 元々映像美を誇る監督ではないのだが、ザラついた質感の映像が特徴の本作は、モスがハンディビデオで撮影する映像とあいまって、ドキュメンタリー作品のような印象を受ける1本だ。祝典祭とは直接関係のない映像(会議の合間のタバコ休憩、窓辺のハト)を入れたことが社長の反感を買って削除要求される様などは、社会主義政権下の映画検閲を連想させるし、アマチュア監督に自由な発想を促す映画協会の人々を見ていると、この頃ポーランドで盛り上がってきた民主化運動の萌芽を感じることができるだろう。 しかし、ここで映画が政治的な方向にむかわないのがキシェロフスキーがワイダと違うところで、8ミリ映画作りに没頭するあまり、妻や娘に愛想をつかされたモスはふと我に帰る(愛に帰る)のである。自分が何のため、誰のために映画を撮っていたことに気づいた男の声は、家を出て行った妻には届かなかったが、その想いを8ミリに残そうと(情けない自分がネタになると思って)自らにカメラを向けるのであった。

  • cs5********

    5.0

    深いです

    ハマった。 怖いね。言葉って、映像って。 表現した途端、それはウソでもウソでなくなる。 真実でも真実でなくなる。 知らず知らずに他人を傷つけてたり、勇気付けてたり。 好かれたり、嫌われたり。 生まれた子供の成長を撮ろうと購入した8ミリカメラ。 誕生に幸せ一杯の主人公が、勤め先工場長から「社内感謝祭」を撮ってくれと 頼まれて、撮影してから映像の魔力にとりつかれる。 家庭おなざり。 社内同好会主催。 映画賞出品。 賞受賞。 TV局から作品依頼。 めまぐるしく人生は変わって行く。 平穏を愛していたはずの夫が、どんどん変わって行くのに付いて行けない妻。 撮影したフィルムは全て見せて、逐一報告すれと命令する上司。 社会主義国家の綺麗事と臭いものには蓋加減も見え隠れする。 始めは主義主張があったワケではなく、 自分の撮りたいものを撮っていたはず。 それを他人に見せる、上映する、発表することによって起きる弊害。 アマチュアとプロの差はなんだろ? その弊害を受け止めることなんだろうか? 迷わず突き進むことなんだろうか? スキャンダルを事件を見聞きするとき、 報道のあり方にいつも疑問を感じてたけど、 野次馬な自分もそこには居るんだな。 心がザワザワして仕方ない作品でした。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
アマチュア

原題
AMATOR

上映時間

製作国
ポーランド

製作年度

公開日
-

ジャンル