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砂の惑星

砂の惑星

DUNE

137

もんくま

3.0

二時間弱で纏めるのは無理!

四冊もある、陰謀渦巻く壮大な銀河の叙事詩である原作をたった一本の映画で片付けようとする乱暴な脚本は、完全に一見さんお断りだし、上手く行くわけないと誰か止めなかったのか? 数十年ぶりに改めて見直しても、やはりストーリーは駆け足で解りにくく、説明不足な処が多く難解にしか感じない。 唯、見所がないかと云えばそうでもなく、映像自体はおおよそ三十数年前の作品だけあって流石に古臭いものの、圧倒的なスケール感で襲いかかって来るサンドウォームや、スパイスの過剰摂取によって変異した奇怪な造形のギルドのナビゲーター、レトロフューチャー感がある宇宙船や、一見、SF映画にはミスマッチな感じがするゴシック調の宮殿のデザインなどは独特の世界観を醸しており、今観ても悪くない。 俳優陣も最近の若者には全く馴染みのない人達ばかりだろうが、この映画をリアルタイムで観た同世代から観たら無駄に豪華なのも嬉しい。 これ程の大作であっても、手抜き無しのリンチ監督らしい、悪趣味なグロテスク描写が、このどことなくアンバランスな世界観に毒を添えていて、これを是とするか、否とするかで大きく評価が変わると思う。 作品としての完成度は、決して高くないもの、この独特の世界観は個人的にはアリだと思って時折無性に観たくなる摩訶不思議なドラッグのような作品です。 特撮レベルは、ディノ デ ラウレンティス関係の作品のお約束で、当時でも余り出来は良くないと思ってましたが、私的、贔屓のバンドTOTOによる音楽は、初めてのサントラということあってか非常に力が入っており、この凡庸な映画には勿体ない位素晴らしいです。

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