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RAIN

78

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4.0

狂信者の破滅。

雨の降りしきる南海の孤島。 船員のコレラのために、足止めを食らう乗船客ら。 その中の宣教師夫妻は、背徳的な商売(売春婦でしょうね)をするサディ・トンプソンを嫌い、彼女を本国に強制送還させようとします。 この映画に登場する宣教師、デイビッド師はいかにもアメリカ的な狂信者。 自分だけが正しいと信じ、他者の痛みなど理解しようとしません。 そんな狂信的な偽善をすでにこの時代に描いていたんですね。 同じ、サマセット・モームの原作を映画化した、『痴人の愛』でも、破滅的な女性が主人公となっていました。 『痴人の愛』では、主人公の女性が破滅していくだけで終わっていたのですが、こちらでは偽善的な狂信者がこの女性の策略で破滅していきます。 悪女が悪女として生きるのには理由があるはずです。 狂信者の破滅を描いたこの作品は、『痴人の愛』よりも訴える力があるように感じました。 雨を表現する冒頭の映像。 全編にわたって降り続ける雨の描写。 テーブルを囲む登場人物たちを回り込んで映し出すカメラワークなど印象的なシーンの多い作品でした。 もともとは舞台で記だったもののようですが、「セントルイス・ブルース」の音量の変化や、サディの2度の登場シーンでのクローズアップの手法など、映画であることを強く意識させる作品でした。

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