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聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ (1967)

THE ST. VALENTINE'S DAY MASSACRE

監督
ロジャー・コーマン
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3.00 / 評価:6件

実録ギャング映画の佳作

禁酒法時代のシカゴで、ギャングたちがマシンガンで一斉に“処刑”された1929年の「聖バレンタイン・デーの大虐殺」事件を題材にした、実録ギャング映画の佳作。
暗黒街の抗争劇がいかにして血まみれの結末を迎えていったかを、ナレーションを効果的に使ったソリッドな演出できびきびと綴っていく。セットをふんだんに使った20年代シカゴのビジュアルも見どころだ。
刺激的なバイオレンス描写を差し挟みながら、ギャング同士の抗争劇をテンポよく綴る本作を観ながら真っ先に思い出すのは、もちろん『仁義なき戦い』(1973)である。スピーディーな筋運びや実録物スタイルの形式もそうだが、人物やドラマに対する乾いた態度も似ている。深作欣二はきっとこの映画を観ていたに違いない、と思わずにはいられない。ヤクザ者の下卑た人間性や病んだ暴力性を「当然のこと」としてスクリーン上に映し出す現代感覚のリアリズムは、コードに縛られたメジャースタジオの“お上品な”監督には真似のできない、直截的でためらいのない悪意が迸っていて痛快。早撮りの達人らしい「コクのなさ」も小気味いい。
コーマン門下のフランシス・フォード・コッポラ監督が、後に同じ事件をモデルに『ゴッドファーザー』(1971)で描いた、とことんドラマチックなクライマックスほどには当然盛り上がらない。しかし、さんざん無感情な演出を貫いておきながら、映画の幕切れで「暴力の連鎖は今も終わったわけではないのだ! 警句でシメる。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
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