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制服の処女

制服の処女

MADCHEN IN UNIFORM/GIRLS IN UNIFORM/MAIDENS IN UNIFORM

83

kih********

5.0

進歩派教師が伝統派校長に勝つ 珍しい話

 1910年のポツダム郊外にあるミッション・スクールの寄宿舎。校長も絵に描いたような厳格主義の年輩女教師。そこに「感受性の強い乙女(Mädchen)達の教育には理解と愛情が必要」だとの信念をもつベルンブルク先生がいて、校長と対立する。  教員&生徒とも女性だけの社会だから、現代の感覚では何か異様な雰囲気がある。女教師への乙女からの「思慕の情」が「恋心」となり何やら同性愛の雰囲気になる。当時の社会では同性愛は宗教上の罪、当然と言えば当然、厳罰が言い渡される。女生徒は悲観して自殺を決意する。  こういう筋書きの映画は他に幾らでもある。ところが、この映画が他と違うのは、厳格校長の方が自分の非を認めて自ら学校を去るのだ。ハッピーエンド。観る方は、つい「えぇ~、あり得ない」などと思ってしまう。そして、こうであって欲しいな、とも思う。 (原題の『Mädchen』を『処女』としたのは誤訳に近い。「少女」または「乙女」でよかった。有名なシューベルトの室内楽『Der Tod und das Mädchen』は『死と乙女』と訳されている。これが「死と“処女”」ではいかにもおかしかろう。) (教育論、教師論として、別稿「映画の中の先生たち」にして、教師対象のメールマガジン『中高MM』に寄稿した。)

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