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征服への道 (1947)

CAPTAIN FROM CASTILE

監督
ヘンリー・キング
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3.00 / 評価:2件

J・ピータースのデビューと音楽の魅力

  • rup***** さん
  • 2016年4月4日 23時33分
  • 閲覧数 427
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

ようやく日本版DVD(ただし非正規盤)が発売されたので、日本語字幕付きで鑑賞しました。

ジーン・ピータースのスクリーンデビュー作です!
野性的なスペインの娘カターナを演技経験ゼロの20歳のジーンが堂々と演じています。大スターのタイロン・パワーを相手に物怖じしている様子がありません。
特に、パワーとダンスを踊り気持ちが高まるシーンでの感情表現には気丈な娘の内面にある乙女心が表れていて、このギャップに惹きつけられてしまいます。「女海賊アン」と並んで、ジーン・ピータースの魅力を伝えるにふさわしいのが本作のカターナ役ではないかと思います。

…と、個人的な思い入れが強い事柄について最初に書いてしまいましたが(笑)、主観に偏らずに感じる本作の魅力は、1に音楽、2にロケーションといったところでしょうか。

音楽を担当しているアルフレッド・ニューマンは、当時20世紀フォックスの音楽部長をやっていたので、フォックス社が製作した映画音楽の顔ともいえるほど数々の音楽を手掛けていたのですが、数が多いだけあって割と適当に流して曲をつくっているような作品も多かったように思うのです。

特に都会を舞台にした作品などは、有名な『Street Scene(街の風景)』(キング・ヴィダー監督の同名作から生まれたニューマンの代表曲で、「百万長者と結婚する方法」の冒頭ではニューマンの指揮でミニコンサート風の演奏シーンがあります)を流用して誤魔化していたりするのですが、時には、ものすごく気合いを入れてスコアを書くことがあり、本作は「聖衣」や「西部開拓史」などと同じようにニューマンが本気を出したときの作品で、スペイン風の勇壮な『メインタイトル』から威風堂々たるマーチ風の『征服』に至るまでいつまでも耳に残るような印象的な曲となっています。

正規メーカーから出ている北米版DVDでは、サウンドトラックのみの音声が収録されているほど本作は音楽面で人気が高く、とても聴き応えがあります。

また、テクニカラーで撮られた風景が実に美しく、メキシコロケの効果が十二分に上がっているシーンの数々にも魅了されます。
囚われたペドロ(タイロン・パワー)に寄り添うカターナを映し出す場面の宗教画のような絵作りも特筆したい点です。


スペインの貴族ペドロは、時の権力者デ・シルヴァの奴隷の逃亡に手を貸したために恨みを買い、家族全員が異端者として捕らえられ、デ・シルヴァによって年若い妹を拷問で責め殺されてしまいます。ペドロはデ・シルヴァに剣で復讐を果たし、カターナや、デ・シルヴァに恨みを持つ豪傑の騎士フアンとともにメキシコに渡り、エルナン・コルテスの部隊に入隊します。
死んだと思っていたデ・シルヴァが重傷を負っただけであり、回復後コルテスの部隊に参加し、ペドロらと再会すると私怨に再び火がつくというのが大まかなストーリーです。

前半でペドロがデ・シルヴァ相手にチャンバラを見せるシーンやデ・シルヴァの部下の追跡を受けて馬で逃げるシーンのスピード感が素晴らしく、全編を通じてパワー自身の演技もしっかりしています。
フアンを演じるリー・J・コッブの性格俳優的な演技のうまさ、敵役デ・シルヴァを演じるジョン・サットンの終始憎々しい厭らしさも観どころですが、コルテスを演じたシーザー・ロメロには持ち前の軽さが出てしまっていて、ちょっと貫禄不足の感がありました。

コルテスのアステカ征服という今製作するとしたら描き方が難しそうな題材が扱われていますが、原住民の偶像を大砲で吹き飛ばすシーンや神殿が血塗られているようなシーンはあるものの、直接的に非道な殺戮や略奪行為が描かれているわけではなく、フロンティアを求める西部開拓のような感覚で作られています。

主役は征服者コルテスではなく、様々な事情を抱えて遠征に加わる人たちにまつわる話が中心となっていて、コルテスの遠征は背景として使われているだけなので、これといって派手なことが起こらず、ただダラダラと場面を映し出しているだけという印象を受けてしまうところがあるかもしれませんが、人間ドラマとしては観るべき点が多々あります。

監督はヘンリー・キングで、サイレント時代からの大ベテランです。奇手を弄さず、あまりきめ細かい演出をするような人ではないので、ともすると大味で退屈という印象にもなってしまいがちですが、本作は堂々たる風格のハリウッド大作の典型といえるような作品に仕上がっています。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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