オブラートに包まれた差別意識
- 一人旅 さん
- 2014年3月12日 21時58分
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ジョン・カサヴェテス監督作。
【ストーリー】
黒人の血が入ったヒュー、ベン、レリアの3兄妹が送る日常と、彼らが感じる人種への偏見・差別を描く。
3兄妹が露骨に差別されるような描写はない。その代わり、当時のアメリカの人種に対する差別意識がより生々しく描かれている。
ヒューが歌を披露するシーンやレリアが白人男性と恋に落ちるエピソードがその例だ。
「黒い肌、黄色い肌、キライ!あっち行け!」
なんて言われたら、言い返したくなるほど怒りと憎しみが湧く。だけど現実ではそんな言葉は滅多にかけられない(ネット上では頻発してそうだけど)。
きっと実際には偽りの優しさで差別心はオブラートに包まれているのではないだろうか。
「ワタシタチ、差別はしませんよ」
という偽善を保持するために、本来心の奥に確かに存在するはずの差別心を隠そうとする。だからこそ厄介だ。これも直前に鑑賞した『フェイシズ』同様、自分たちにとって都合の悪い、隠したい嫌な事実は無かったことにするという人間の本質が現れているような気がするのだ。
詳細評価
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