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アメリカの影

アメリカの影

SHADOWS

81

じゃむとまるこ

5.0

1959年NY、若者の生態、苦悩を活写

アメリカ、インディペンデント映画の父、カサヴェテス30歳の監督デビュー作。 大都市NYの片隅に生きる若者の生態、を生き生きと活写。 彼等の人生へのいらだち、閉塞感、黒人故の苦悩。 黒人と言ってもいろいろ、兄二人は黒人そのもの、弟と妹は白人にしか見えません。 「白いカラス」という映画を思い出しました、白人として生きる実は黒人、アンソニー・ホプキンスの苦悩が良く理解できました。 白人と恋をする妹レリア。 初めて結ばれた夜、彼女は言う。 「一緒になるって大切なことだと信じていた、結ばれるってそういうことだって、でも違ったわ、私たちは他人のまま・・・・これが人生なのね」 黒人が置かれた閉そく的な人生、もがき、苛立つも、諦念の中に幸せを求めて生きていく・・・・・秀作です。 エンドタイトルの前に、「この作品は即興的な演出によって作成されたものである」、とテロップが出ます、なるほどと、うなずけます。 音楽はチャールズ・ミンガス、私の若い頃はチャーリーと言っていたように憶えていますが、本人が「チャールズと言ってくれ」と宣言したとか。 とにかくミンガスの即興音楽と映像が絶妙にマッチした、カサヴェテスならではの魅力です。 モノクロ映画ですが、カラーではこの味わいは出せないでしょう。

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