あらすじ・解説
1941年、ドイツ占領下のフランスのとある村で、老人(ジャン=・マリー・ロバン)は姪(ニコール・ステファーヌ)と二人で暮らしていた。ある日、彼らはドイツ兵に2階の部屋を将校(ハワード・ヴァーノン)に提供するよう言われる。現れた将校はフランスに対してあこがれを抱いており、毎晩フランスに対する思いなどを語るが、彼らは無言を押し通す。
シネマトゥデイ(外部リンク)
作品レビュー(14件)
- 一人旅
5.0点
ジャン=ピエール・メルヴィル監督作。 フランスの作家:ジャン・ブリュレルがヴェルコール名義で戦時下の1942年に発表したレジスタンス文学の名著「海の沈黙」を『恐るべき子供たち』(50)、『サムライ』(67)のフランスの名匠:ジャン=ピエール・メルヴィルが映像化したヒューマンドラマで、本作は多くの傑作を世に遺したメルヴィル監督の長編デビュー作となっています。 1941年、ドイツ占領下のフランスを舞台にした作品です。パリ郊外の小村で姪と暮らしている老人の自宅2階の空き部屋を一人のドイツ人将校が間借りしたことを発端に展開される心理ドラマで、一つ屋根の下で暮らすこととなった老人&姪、敵国将校の3者が織りなす人間模様を卓抜した心理描写で映し出しています。 理性的で良心的なドイツ人将校と家主である老人&姪の関わりを描いた心理ドラマで、通常の会話劇とは様相が異なり、フランスに憧れを抱く音楽家の将校が一方的に語り続け、老人と姪はひたすらに“沈黙”を貫き通すという一方通行な対話風景が異彩を放っています。敵国ドイツに対する抵抗心から沈黙を堅持する老人と姪ですが、ドイツ人将校の誠実な人柄に触れるうち心境に変化が訪れていきます。本作は、フランスとドイツ=被侵略国と侵略国という国家間の敵対関係というマクロな視点ではなく、それぞれに独立した感情と思考を持った個人間の関係というミクロな視点に落とし込んで提示していく心理劇で、多くを語らずとももたらされていく心理の相克の果ての柔らかな融和に、人間という生き物の希望的側面を感じ入らせてくれますし、ドイツ将校に向けた老人からの声なき言葉は『善き人のためのソナタ』(06)のラストシーンを彷彿させる深い感動で包まれます。 当時30歳だったフランスの名匠:ジャン=ピエール・メルヴィルの長編初監督にして疑いようのない傑作で、老けメイクで老人に扮した当時34歳のジャン=マリー・ロバンによる寡黙な存在感、理知的な将校に扮したハワード・ヴァーノンの実直な人柄、将校に淡い恋慕を抱く姪に扮したニコール・ステファーヌの清廉さ…と三者三様の名演が輝きを放っています。
- da5********
1.0点
世界の平和のためになんかただの一度も生きたことがないフランスが、何偉そうにドイツ批判なんてするんだよ? 頭おかしいんじゃねえの? 自分たちがこの100年間に何してきたかしっかり反省しろよ。 お前らフランス人の作る映画には、しょっちゅう戦争やユダヤ迫害のことなんかが理屈っぽく出てくるけど、ついぞ自分たちにも非があったってことを語らないんだよな。脳味噌あるのか? 植民地支配搾取。ブルジョワ側としての対ソ連干渉。ヒットラーへの迎合。血も流さずにあっさり降参したかと思ったら、勝ってもいないくせに戦勝国意識。それから南太平洋を汚染しまくった核実験・核実験・核実験・核実験・核実験。ベトナム攻撃。アルジェリア攻撃。世界中への武器輸出。原発輸出。────クソだぜ。平和を語るなよ。被害を言いふらすなよ。ヒットラーの方がよっぽど偉大だよ。 お前らフランス人の功績はただ一つ。かつて王と王妃をギロチンにかけて世界中に多少の勇気を与えた。それだけだ。あの革命以外にお前らの歴史的功績なんて一つもないんだよ。もっと自分を知れ。 日本は東アジアでひどいことはいろいろしたが、結果としてお前ら欧米列強からアジアが独立するきっかけを見事に作った。お前ら白人がさんざん有色人種を差別しまくる狂った狂った狂った世の中で、健気に崇高に気を吐いた。過ちも犯したし、事柄によっては未だ謝り足りない部分もあるだろうが、必要もない大量破壊クソ兵器の原爆を次々落とされて苦渋をなめたからもう赦されてんだよ天にな。悔しかったら原爆落とされてみろ。 甘ちゃんの無血パリ入城のあと、お前らがどんなに卑劣な生き方したか、ちゃんとわかってんだぜ。ペタンだけじゃねえよ、ものすごい数のフランス人が、ヒットラー様に媚を売ってクニャクニャウッフンと生き延びたことを隠して、さも大多数のフランス人が勇敢にレジスタンスを戦ったなんていう作り話をドゴール主導で戦後に流しまくって今に至ってるのはバレまくってるんだよ。 こんなクソ映画、何の意味もねえよ。自分たちを海になぞらえるなんて、おこがましい。「便器の沈黙」って題で充分だろ。 フランスのバカ連中が自画自賛するのはべつに構わないけど、地球の裏側に住んでる日本人がこんなものに感動するとしたら、そいつらは日本の恥だ。まあ、いないと思うけどね。そもそも、映画として優れた点もほとんどないしな。 ジジイを笠智衆、姪っ子を原節子が演じたらもっと神々しい名画になったかもな。
- bakeneko
5.0点
ネタバレAdieu…
このレビューにはネタバレが含まれています。 - bar********
5.0点
ネタバレ沈黙と静寂の中にあるもの
このレビューにはネタバレが含まれています。 - 柚子
4.0点
第二次世界大戦下のフランス 一人のドイツ将校を、自宅の二階へ下宿させなければならなくなったフランス人 初老の男と、年頃の姪 二人暮らしの中に、突如、異質なものが、入り込む 礼儀正しい、ドイツ将校 「私が疎まれているのは、仕方のない事です」 「当然です」 「尊敬します」 無視し続けるフランス人に対し、独り言のように、自分の生い立ちを語る 毎日、毎日、同じことの繰り返し 「おやすみなさい」と言って、二階へ上がる フランス人の心の声が、物語をナビゲートしていくが、特別な展開があるわけでもない 鬼畜ドイツ ドイツの中の、良心 ドイツとフランスは、あいまみえることはないと言うが…
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