コーマン最高傑作
- z27***** さん
- 2008年4月10日 9時16分
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- 総合評価
この作品では人間の二面性に言及している評が多い。単純に善悪を図れないという考え方は勧善懲悪の旧ハリウッド映画からは珍しく、イギリスで撮影したかもしれないがアメリカンニューシネマの先駆的な世界観である。もう一つ重要なテーマがベルイマンのテーマでもある〈神の不在〉だ。そもそも神がいたとしてなぜ赤死病が流行るのか?なぜ不幸・苦しみが耐えないのか?この世を創ったのは実は神ではなく悪魔であるという説を聞いたことがあるが、暴君プロスぺロ公もそんなような考え方で悪魔崇拝を行い悪魔の力で赤死病から逃れようとします。しかし、舞踏会に現れた死神に「人間には人それぞれに自分の神や悪魔がいる」と言われてしまいます。つまり悪魔崇拝さえもプロスぺロ公が勝手に信じている自己満足で、悪魔と契約を結んだと言っても、架空のものとの契約など絵に描いた餅で何の保証にもならないということでプロスぺロ公も結局助かりませんでした。死は悪人・善人、金持ち・貧乏人の別なく平等に訪れ、それから逃れるには結局は積極的行動と運しかないと感じられました。後の有名監督ニコラス・ローグが担当した撮影も素晴らしかったです。
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