死の美しさ
- bakeneko さん
- 2009年1月15日 15時15分
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- 総合評価
R・コーマン&ヴィンセント・プライスのコンビによる、ポー原作怪奇映画シリーズの最高傑作であり、“詩的美しさ”や“哲学的死生観”まで感じさせる格調高いゴシックホラーであります。
いやー、この“ポー連作シリーズ”は纏めて観ていると、セットや俳優、ストーリーを使い回しているのが分かるのですよね(ヴィンセント・プライスの熱演にも、だんだん飽きてくるし)。
で、一般の人に勧める際には、これ一作(または、「恐怖の振子」)を紹介することにしています(「忍者と悪女」を薦めて怒られたことがあります-全く堅気の衆はシャレが分からないんだから!)。
中世を題材にしたことで、ヴィンセント・プライスの大仰な演技もそれほど“浮かびあがらず”、物語設定も伝奇的雰囲気を上手く醸し出しています。コーマンお得意の幻想場面も素晴らしく、特に脇を固めるイギリスの俳優陣の力で、物語に品位が付け加えられました。
そして、最大の貢献は当時駆け出しだったカメラのニコラス・ローグがとても美しく色彩を捉えていることであります(特に赤!)。
ポー原作の雰囲気を格調高く描いた怪奇ゴシックロマンで、残酷シーン&スプラッタシーンは皆無であります(ていうか、コーマンがそんな“金の掛ること”をするわけないじゃん!)
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