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忠次旅日記 御用篇 (1927)

監督
伊藤大輔
  • みたいムービー 2
  • みたログ 7

4.00 / 評価:4件

幻の“戦前日本映画最高傑作”

  • すかあふえいす さん
  • 2014年8月31日 2時46分
  • 閲覧数 350
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

「長恨(断片フィルム有り)」で力演した大河内傳次郎と伊藤大輔がコンビを組んだ最高傑作の1本とされる作品。

現在は多くのフィルムが散逸してしまい、その真髄の一部を拝めるのが第2部「信州血笑篇」の一部と第3部「御用篇」の大部分。
拝めるとはいえ細かい箇所が欠損しており、ストーリーの繋がりがやや分り難くなってしまっている。それでも、大河内傅次郎の鬼気迫る演技を含め一見の価値しかない。

例えば、編み笠を被り道を駆け抜ける忠次、それを猛然と追いかける御用提灯の津波津波津波。
敵を流し目で睨みつけ、橋の上で捕り手たちに一太刀を浴びせ、骨太の腕で刃を突き付けて周囲を睨みつける。取り囲む捕り手たちをくるりと回って瞬く間に3人を薙ぎ払う上空からの視点。
この上空からの視点は「決闘高田馬場」の断片で猛然と決闘場に向かうシーンでも拝む事が出来る。

また街中で複数の男たちと高速で斬り結び、信頼を寄せる忠次を裏切った者たちへの絶望を叫ぶ老人、斬られたのか力なく壁に寄りかかり倒れる仲間、それを見やりながら敵中を突破しようとして太刀をゆっくりと傾け構える男。
忠次もまた子供を抱えて密室で複数の男たちと斬り結び、睨み付ける視線の強烈さ。

そんな剣客としても強者だった忠次が、病によって徐々に立ち上がる事もできないほど衰弱していく様子。
彼を慕って最後の最後まで付き従ってくれる仲間たち。捕り手たちから忠次を守ろうと奮戦し、血まみれになりながら次々と捕縛されていく。開けられそうになる扉を何度も何度も閉じる仲間の散り様、それを助けられず黙って見守る事しか出来ない悔しさ、己の無力さを嘆く悲痛な表情。手に持つ刀すら抜きたいのに抜く力すら残っていない。
その腕を掴む忠次を慕う女の耐え忍ぶような表情。
扉をこじ開けて雪崩れ込む捕り手たち、それを睨みつけ、懐の鉄砲をぬうっと突き付けて最後の抵抗を示す女の眼差し。忠次は最後の力を振り絞って抜刀して戦うのか、戦かはないのか・・・とクライマックスまで息もつかせぬ怒涛のシーンの連続なのです。それをサイレント映画の早回しを逆手にとった超高速戦闘で存分に味わえる。

詳細評価

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