超絶な活劇演出は現代作を凌駕!
- bakeneko さん
- 2016年1月21日 7時53分
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「忠次旅日記」は、第1部「甲州殺陣篇」、第2部「信州血笑篇」、第3部「御用篇」からなるシリーズ作で、
丁度2016年度のキネ旬の洋画ベストワンが「マッドマックス 怒りのデスロード」であった様に、娯楽活劇でありながら第2部がキネ旬のベスト第1位、第3部が第4位にランクインした怒涛の娯楽傑作であります。
伊藤監督自身が総集篇を作るときに第1部を廃棄、残った第2部と第3部のフィルムも散逸して、第3部の1分間の断片シーンしか残されていない「幻の名作」とされていましたが、1991年に広島県の民家の蔵から可燃性のフィルムが発見され、東京国立近代美術館フィルムセンターで復元作業が行われ結果、第2部の一部と第3部の大部分の計89分が視聴可能となった(―wikiより)作品で、「忠次旅日記 第3部 御用篇」をほぼ完全な形で観賞することができます。
赤城山を降り、持病の中風が次第に悪化する中で、越後長岡の造り酒屋澤田屋に番頭として潜伏していた忠次の主人を救う活躍と再逃亡、嘗て育てた勘太郎との再逅、そしていよいよ病状が悪化して国定村に帰ってからの最後の大捕り物…と見せ場の連続で、主演の大河内伝次郎と妾のお品を演じる伏見直江がカリスマ的な魅力を輝かせています。
監督・原作・脚本:伊藤大輔はスピーディなアクションとリズミカルなカットバック演出で劇的な躍動感を煽っていて、勘太郎との再逅場面の叙情性、アジトでの裏切り者炙り出しの心理サスペンス、ラストの子分達の捨て身の大攻防戦のスペクタクルアクション…は現代作を遥かに凌駕しています。
第1部や第2部のお話は後年作られた稲垣浩版などの作品で補完&おさらいして、映画史に残る大傑作を愉しみましょう!
ねたばれ?
国定 忠治(1810~ 1851年)は実在の侠客で、講談や映画の多くは実際の事件を脚色していて、30代前半での発病とは早すぎる気がする―脳血管障害の後遺症である中風の病も本当もことです(酒の飲みすぎかな~)
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