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十字路 (1928)

監督
衣笠貞之助
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  • みたログ 11

4.75 / 評価:4件

でっかい提灯だなあ~

  • bakeneko さん
  • 2017年10月24日 10時40分
  • 閲覧数 375
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

日本映画で始めて外国に輸出配給公開されたことでも有名な作品で、後年の昭和24年の松竹・下賀茂撮影所のフィルム倉庫大火災で日本で保管されていたオリジナルネガは焼失しましたが、英国に輸出したフィルムが有ったことから現在は英語字幕が付いた版を観ることができます(あっ、もちろんオリジナルの日本語字幕も付いていますからご安心を!)。

“チャンバラの専売特許状態だった時代劇でもしっかりとした心理劇を創ろう!”―と意気込んだ衣笠衣笠貞之助の入魂の作品で、助監督だった稲垣浩の談に依れば“監督&助監&撮影者は撮影期間29日の間ほとんど徹夜進行だった”そうであります。
サイレント後期の“出来るだけ絵で魅せる心理劇”=「サンライズ」や「風」の様な純粋映画を目指した作品で、細やかなカット割りとクロースアップ&俯瞰の切り替え&鮮やかな回想シーンで、吉原のはずれに住む或る極貧の姉弟の葛藤劇を息つく間もない緊迫した感覚で見せて行きます。
監督自身が出来上がったフィルムを抱えて3年間世界配給旅行に飛び回った作品で、それまでは、フリッツ・ラングの「HARAKIRI」や「メトロポリス」のYUSHIWARAが日本の印象だった欧米に正しい日本を提示した映画でもあります。

殆ど字幕を見る必要も無いほど練られた作劇の映画ですが、観る側もしっかりと絵を理解して物語を構築して行かないと、yahooの映画欄の作品紹介の様に物語についてゆけなくなりますよ(本作はきちんとしたリアリズム作品です―前衛&幻想的作風と解釈したのは上映中寝ていたのかな?)。

ねたばれ?
1、 本作の英語紹介では弟が焦がれる芸者名:お梅(OUME)を間違って、お夢(O―YUME)と表示して、更にYUME=dreamとして拡大解釈することで非現実の女としています(これが本映画が幻想と現実が入り乱れて…と間違って紹介される原因となりました)。
2、 で、着物を引き千切る男は誰?
3、 十手を落とした岡っ引きは困ったろうなあ~

おまけーレビュー項目に無い同時期のサイレント映画の傑作の紹介を…
汽車と車の走る速度が同じだった頃…
「明日天気になぁれ」(1929年)監督 島津保次郎、西尾佳雄 出演 小藤田正一、新井淳、飯田蝶子、半田日出丸、高尾光子、河村黎吉、吉川満子、林千歳、小桜葉子

 東京市教育局主催 児童映画脚本懸賞の一等当選作品の映画化で、お話は他愛無いものですが、子供&犬好きの島津保次郎監督の手腕によって幸福感とノスタルジー溢れる名編となっています。

裕福な家の飼い犬に子犬が生まれたが、主人は夜鳴きがうるさいので書生に捨てさせる。しかしそれを知った令嬢:小桜葉子が悲嘆にくれるので、急遽拾いに行かせるが、2匹の子犬はそれぞれ中流&庶民階級の少年に拾われた後だった。半年後成長した2匹の犬の優劣を巡って村で品評競争が行われて…というジュブナイル劇で、子役時代の高尾光子(13歳)と小桜葉子(10歳)も可愛らしい顔を見せていますし、親の世代役の飯田蝶子(31歳―可愛らしい!)、河村黎吉(32歳)、吉川満子(28歳―綺麗!)もまだまだ若い!

子供達の表情が生き生きと捉えられていますし、富裕&中流&庶民と三様の親世代の様子も活写されていて、特に飯田蝶子&半田日出丸の大工夫婦のコミカルな情感は絶品であります。そして1920年代の蒲田近郊の様子も映し出されていて、まだうっそうとした山森だったこともわかります。

1時間とコンパクトに纏め上げられている作品ですのでお子様と一緒に愉しむのに最適な良作で、当時はボールをマリと呼んでいたことも判ります。

ねたばれ?
1、 お嬢さん役の小桜葉子さんは、岩倉具視を曾祖父に持つ本物の男爵令嬢ですが、今では寧ろ加山雄三のお母さんといったほうが通ります(加山雄三はお母さん似だったのですね)。
2、 シェパードは成犬になると食費が大変!(富豪家が世話することになってよかったなあ~)。

詳細評価

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