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学生ロマンス 若き日

bakeneko

5.0

ネタバレ若い頃には活発に動いていたのね!

2009年現在、簡単に観る頃の出来る“最古の”小津安二郎監督作であり、彼の第8作目(といってもこの頃は年に7-8作は撮っていましたから、実際にはデビュー当初の作品といって良いと思われます)26歳の時の作品であります(もちろん、ジャンルは“伸びやかでノスタルジックな喜劇”)。 まず本作では、初期からの仲間である、斎藤達雄、飯田蝶子、笠智衆(学生役ですが、ちょっと注意しないと気がつかないかも)らの顔を見つけることが出来ます。 そして、デビュー時に既に、“見事な語り口と繊細な心理描写、清々しい空気感覚”が、確立していたことが分かりますが、トレードマークの“画面フレーム&ショットの形式への拘り”にまだ縛られておらず、活き〃と活発に動き回るカメラワークに驚かされます。 そして、“若さのおおらかさと繊細さ”に“柔らかな悔悟と惜別の念”を織り交ぜて語られる物語は、後年の名作群とはまた違う“若い頃でなければ描けない感覚”を観ているものに提示してくれます。 もちろん“サイレント&モノクロ映画”ですが、映画史的価値のみならず素直に楽しめる“若き日の小津作品”であります。

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