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千一夜物語・魔法のランプ (1945)

A THOUSAND AND ONE NIGHTS

監督
アルフレッド・E・グリーン
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3.00 / 評価:2件

ランプの精のキャラ作りが秀逸

  • rup***** さん
  • 2020年5月17日 6時25分
  • 閲覧数 192
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

コロンビア社が1945年に製作したアラビアンナイト物で、今回初鑑賞。

『アラジンと魔法のランプ』を元にした物語ですが、作風は製作当時の楽屋落ち的なネタを盛り込んだコメディ調で、ミュージカル要素もあって、戦時中の憂さを晴らすための逃避映画(エスケープ・ムービー)といった感じの娯楽作品です。

コーネル・ワイルドが気ままな放浪生活を送っている青年アラジンを演じていて、その相棒でスリの名人アブドラ役がコメディリリーフ担当のフィル・シルヴァース。

フィル・シルヴァースは、ジーン・ケリーと共演した「カバーガール」と「サマー・ストック」が印象に残っていて、本作でも個性的な眼鏡をかけて場を賑わせてはいるものの、笑いの取り方が結構野暮ったいので、好き嫌いが分かれるところかもしれません。
ラストで、当時若い女性たちに大人気の若手男性歌手F.S.氏のモノマネをしてみせるのは面白かったですね。

アラジンがサルタンの娘である王女アルミナに恋をし、洞窟で手に入れた魔法のランプの精バブスの力を借りてインドの王子に変身して、お婿候補として宮殿に乗り込んでいくという当たりは、アラビアンナイトの物語らしい展開になっているのですが、本作を面白くしているのは、ランプの精(ジーニー)がいかつい大男ではなく、現代的な若い美女であるということ。

バブスが主人であるアラジンを一目見て好きになり、王女に嫉妬して、アラジンと王女の結婚を妨害しようとしてしまうというトンデモ展開になるのが愉快で、アラジンのことをボス呼ばわりしたり、ランプの持ち主以外にはその姿が見えないという設定なので、バブスが天衣無縫に好き勝手な振る舞いをしたりするのが観ていてとても楽しい。

ゴースト物の作り方にも通ずるところがあって、本作とほぼ同時期に作られているデヴィッド・リーン監督の「陽気な幽霊」に出てくる主人公の先妻の幽霊(ケイ・ハモンド)や、ダニー・ケイの主演第2作目の「ダニー・ケイの天国と地獄」におけるギャングに殺された双子の兄の幽霊(ダニー・ケイの一人二役)と似た感じ。

美人ジーニーのバブスを演じているのは、イヴリン・キースで、イヴリン・キースといえば、「風と共に去りぬ」でのスカーレットの妹スエレン役が出世作で、本作の監督アルフレッド・E・グリーンが手掛けた「ジョルスン物語」のジョルスンの奥さん役などでも知られていますけど、本作のように奔放で弾けた演技をみせているのは珍しいのではないでしょうか。

また、王女アルミナを演じているのが、低予算映画におけるヴァージニア・メイヨといった雰囲気のあるアデル・ジャーゲンスで、まだスクリーンデビューして間もない頃とはいえ、お姫様役はやはり柄に合っていない感じがしますね。

さらに、あからさまに他の作品のキャラクターを使っているのが、アラジンたちが魔法のランプを探しに洞窟に入ったときに現れる巨人で、名作の誉れ高い1940年版「バグダッドの盗賊」でジーニーを演じたレックス・イングラムが、そのときのジーニーとそっくりの出で立ちで現れるのが嬉しいサプライズ。
ジーニーの再演なのかと思ったら、ストーリーには全く絡んでくることのない、洞窟に住んでいるただの巨人という設定でした(笑)。

主役のコーネル・ワイルドは、同年の「楽聖ショパン」におけるショパン役などよりも好演で、劇中で何曲か唄う歌は吹替えなのでしょうが、楽しい雰囲気が出ていますし、ラストでは、半月刀を使ったチャンバラをみせてくれます。
ただ、ワイルドは、元フェンシングの選手なのに、剣を交えるときのスタイルがあまり格好よく見えないのが惜しいところ。
剣戟場面は、翌年の「戦うロビン・フッド」のほうが観ごたえがありました。


〈アラビアンナイト映画を10作品集めたパブリックドメイン版DVDで鑑賞しました〉

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