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前科者 (1939)

INVISIBLE STRIPES

監督
ロイド・ベーコン
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3.50 / 評価:2件

目に見えない囚人服

  • rup***** さん
  • 2016年7月9日 23時37分
  • 閲覧数 207
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ジョージ・ラフト、ハンフリー・ボガート、ウィリアム・ホールデンが共演という今観るとかなり豪華な顔合せの作品。
ただ、本作の製作当時からすると、ラフトは人気に陰りが出始めていた頃で、ボガートはこれからスターとして注目される直前期、ホールデンはスクリーンデビューして間もない新人時代ということで、それぞれのネームバリューはそれほど大きくなかったようにも思います。

本作では、前科を背負った人間の社会復帰の難しさにスポットが当てられています。

シンシン刑務所の受刑者仲間であったラフトとボガート。ラフトは仮釈放、ボガートは5年の刑期を終えて出所してきます。
ラフトは真面目に更生の道を歩み、職に就こうとしますが、仮釈放中の身では車の運転ができず解雇。別の勤め先では、素性が分かった途端、仕事仲間からの嫌がらせにあって騒動になり、結局は解雇。それでも若者たちに交じってデパートの配送係の仕事に就いてコツコツと働き、次第に役職も上がっていきます。

一方のボガートは、悪の道へと戻り、裏社会で羽振りを利かせるようになっていく。

ホールデンはラフトの弟の役ですが、働けど働けどのワーキングプア状態の生活に希望が持てず、恋人のジェーン・ブライアンとも結婚に踏み出せずに鬱屈とした日々を送っています。
自棄になって楽に金を稼げる悪の道に走ってしまいかねない様子のホールデンを兄のラフトが諌めます。

ところが、ラフトは、前科者というだけで身に覚えのない窃盗の容疑をかけられて捕まり、結局は誤認逮捕で釈放されるものの、保釈金集めに奔走していた弟がカッとなって上司を殴り解雇。

この辺りまでは、地に足の着いた説得力のある話が進むのですが、今の暮らしのままでは将来に光が見えないと判断し、ラフトが、ボガートらの悪党一味と組んで再び悪事に手を染めてしまうあたりから、結末が予想できるありふれたストーリー展開になっていきます。

ラフトは思い直して強盗団から足を洗うものの、結局は、弟もろとも一味の犯罪に巻き込まれてしまうことになる。
ホールデンは念願の自動車整備工場を開くことができるのですが、その資金は所詮兄が強盗をして手に入れたお金なので、ラストも、兄弟の人情話のような形で締めくくってしまうのはどうなんだろう・・・という疑問は残りました。

ラフトは、ストイックな頼もしい兄貴ぶりで、まさに男が惚れるタイプの男を好演。
ボガートは、スターダムにのし上がろうとしていた頃なので、ただのチンピラのような一面的な役柄ではなく、要所要所で男気をみせてくれるのが嬉しいところ。
ホールデンは、まだまだ線が細いですが、若さゆえの直情的な性格をうまく表現しています。
また、兄弟の母親役のフローラ・ロブスンがいつもながらうまい。生活感がにじみ出ていて、母親としての包容力が感じられるいい味を出しています。彼女は、女王から召使に至るまですべて真実味のある演技で役に成り切ってしまう真の名女優だと思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
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