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淑女と髭 (1931)

監督
小津安二郎
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3.50 / 評価:4件

昭和初期の香りがプンプンする小津喜劇

  • じょ~い さん
  • 2008年5月4日 23時00分
  • 閲覧数 644
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

サイレントだが、
わかりやすい喜劇。
昭和初期の香りがプンプンする。

昭和6年の作品。
監督は小津安二郎。
主演は岡田時彦。
晩年の小津作品の常連だった
岡田茉莉子の父である。

主人公・岡嶋(岡田時彦)は
大学では誰もが一目をおく剣道の達人。
車や洋服が流行りつつある中でも
常に和装。
そしてなによりも髭が目立つ男。
男爵である友人宅に招かれた時も
妹ら女衆に髭面と粗暴な態度を嫌がられる。
さらには髭のために就職試験にも失敗する。
ある日、
岡嶋のアパートに廣子という女性が訪ねてくる。
前にモガ(モダン・ガールの略)に
かつあげされているところを
岡嶋に助けてもらった御礼で来たが、
彼女はそこで
「髭を剃ったらいかがですか?」
と忠告する。

岡嶋は廣子の忠告のとおりに髭を剃ると、
すぐに就職が決まる。
その上女性達の見る目まで変わった。


時々、
インタータイトル(台詞の字幕)が入る。
一目みただけで
おかしさが伝わる喜劇的演出や
俳優の表情・しぐさなど
音声がなくても十分に楽しめる。

岡田時彦が演じる岡嶋のキャラが強烈。
キャラというより髭かな。
鼻の下にちょぼっとしたやつではなく、
イスラムの人みたいなもみあげから
頬、口周り、顎までビシッとしたもの。
男としての存在感200%の立派な髭だ。

主演・髭と言ってもいいくらいだ。
この髭というワンアイテムで
見掛けだけでとらわれる・判断する社会や
上流階級層を現している。
もっとも彼らだけでなく
長屋住まいの廣子でさえ
髭に関しては良く思ってなかったけどね。
繰り返しになるがそれだけ強烈なのだ。

もちろん髭だけではない。
昭和5、6年当時の
日本の様子がよーーく描かれている。
岡嶋が住むアパートという建物は
昭和2、3年から流行りだしたもの。
岡嶋の友人宅になると
さらにグレードアップし、
テーブルに椅子、
ワインにケーキ、
レコードにダンスを嗜む女性達など
最先端と思われるものばかりだ。

他にも
洋服を着てかつあげをする
当時の不良モガ・モボ(モダンボーイ)。
彼らが乗っているオープンカー。
街にある洋風のビルディング。
各キャラが口にしている紙巻きタバコなど、
積極的な洋風文化が見られる。
その一方で和服に着物。長屋の風景。
火鉢にキセル、詩吟(おどりつき)などの
日本ならではの文化も見られる。

後半の恋愛の駆け引きもなかなかだ。

いろいろと楽しめたが…
…字幕が昔の平仮名なのでとても読みにくい。
そこがスムーズだったらなあ。
それでも無声映画の喜劇を存分に楽しめる。
ちょっとしたことでも目が放せない。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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