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潜水艦轟沈す (1940)

THE FORTY-NINTH PARALLEL

監督
マイケル・パウエル
  • みたいムービー 1
  • みたログ 2

3.00 / 評価:2件

狂信ナチスvs自由カナダ人!

  • bakeneko さん
  • 2020年8月5日 18時58分
  • 閲覧数 101
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

後に「赤い靴」や「黒水仙」などを監督する:マイケル・パウエルが2次世界大戦初期に手掛けた戦争映画ですが、実際の戦争場面は冒頭の潜水艦轟沈シークエンスのみで、あとは広大な北米大陸をケベックからバンクーバーまで逃走してゆく残存ドイツ兵が様々なカナダ人と邂逅する“ロードサスペンスムービー”となっています。

まだアメリカが第二次世界大戦に参加していなかった1941年。北米東海岸のハドソン湾でカナダの輸送船を沈めていたドイツの潜水艦U-37が爆撃機によって轟沈される。燃料&食料調達に上陸していて生き残った6人のドイツ兵は、日本への渡航船が出る西海岸のバンクーバーまで北米大陸を横切って逃走しようとする。ナチス思想で固まった指揮官の下、行く先々で様々なカナダ人(イヌイット、フレンチカナディアン、フッター派の共同村、民俗学者、脱走兵…)と出逢うドイツ兵は、自由主義の民間人と全体主義の軍人の相容れない衝突と葛藤を繰り返した果てに…という戦争ロードムービーで、“多様性と自由な批判”をモットーとするカナダ人と“統制された序列秩序”を理想とするナチス軍人を比較することで、戦争や侵略と言った軍事行動を非難するのではなく、ドイツの行動理念である全体主義を論破してゆく映画となっています。
新旧の英国俳優がそれぞれのエピソードに顔を見せていて、
戦争が起きたことを知らないフレンチカナディアンの猟師:ローレンス・オリビエ(フレンチ訛りが絶妙!)
フッター派共同村の無邪気な少女:グリニス・ジョーンズ(17歳♡―22年後に「メリーポピンズ」のお母さんを演じます)
世捨て人的な文化人類学者:レスリー・ハワード(「風と共に去りぬ」の軟弱アシュレーの印象そのままですが…)
のんびり屋の脱走兵?:レイモンド・マッセイ(15年後に「エデンの東」の頑固な父親を演じます)
…らの好演と、実際のカナディアンの先住民のお祭りなどの大らかな人種感覚が、カナダ人の多様さと懐の深さを提示しています。

ドイツ兵の中にも良心派が居ることも提示している冷静な視点や、カナダ移民にはドイツ系が多いこともわかる作品で、まだ中立国だったアメリカへ侵入を試みるラストの皮肉な“落ち”も見事に決まっていますよ!

ねたばれ?
1、本作では撃沈されたU-37 ですが、連合軍の対潜水艦作戦で大半が沈められたU-ボートには珍しく終戦まで生き残っています(本映画撮影時点では考えもしなかっただろうなあ~)。
2、祭り場面でのドイツ兵の風体アナウンスよりー“どうして現在持っているものまで詳細に知っているの?(ていうか、捕まえろよ!)”

おまけ―レビュー項目にない、英国的な戦争コメデイのレビューを…
みんなクロムウェルが悪いんだ!
「ダーク・ストレンジャー:I See a Dark Stranger」(1946年 イギリス 113分)監督:フランク・ローンダー 出演:デボラ・カー、トレヴァー・ハワード、レイモンド・ハントレー、リアム・レドモンド

デボラ・カー主演のスパイ喜劇で、熱狂的な愛国者のアイルランド娘が独英のスパイ戦に巻き込まれる騒動を「バルカン超特急」の脚本家コンビが軽快に描いてゆきます。

「黒水仙」で人気が爆発する寸前にデボラ・カーが主演したスパイコメデイで、第二次大戦末期の1944年。父親の影響で熱狂的なアイルランド愛国者となった娘:ブライディ(デボラ・カー)がIRAの戦士となるべくダブリンに上京するが、すげなく断られ、英国憎しのあまり、ドイツの諜報の受け渡しに協力すべく、英国諜報員のデビッド(トレヴァー・ハワード)を誘惑して現場から遠ざけたのを皮切りに、列車内での情報連絡に参加するが…というお話で、
「シャレード」、「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」といった、暢気なヒロインが熾烈な争いの中心となるパターンの嚆矢となった作品で、24歳のデボラ・カーは可愛さ満点であります♡
また、アイルランド人の歴史と性格もコミカルに活写されていて、日本では清教徒革命の立役者であるオリバー・クロムウェル護国卿が、アイルランド人にとっては、アイルランド総督として1649年8月にダブリンに上陸し、ドロヘダ攻城戦・ウェックスフォードの略奪などの戦闘を始め各地で住民の虐殺を行い、アイルランド併合の道筋を作った極悪人であることも判ります。

勝気なデボラ・カーが鷹揚なトレヴァー・ハワードが振り回す=凸凹カップルが、ナチスのスパイ組織と対峙するコメデイタッチのサスペンスで、焦点となる機密はあの大作戦ですよ!

ねたばれ?
“女に理屈は通用しないが、それにしても酷過ぎる”は名言?だなあ~

詳細評価

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