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戦争は終った (1965)

LA GUERRE EST FINIE/THE WAR IS OVER

監督
アラン・レネ
  • みたいムービー 3
  • みたログ 17

3.67 / 評価:6件

過去&現在&未来を彷徨う心

  • bakeneko さん
  • 2014年4月3日 21時53分
  • 閲覧数 349
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

先日逝去した“意識の流れ”を映像化することをライフワーク&トレードマークにしてきたアラン・レネの最も理解し易い作品の一つで、右翼フランコ政権が長期安定化したスペインで、1965年のメーデーに労働者の一斉蜂起を工作すべくフランスとの国境を出入りする中年革命家の3日間を、“過去、現在、願望、予見…”といった意識下の事象を入り乱れて映像化して、“過去を背負い、未来を期待して生きる人間の意識の流れ”を映画化して見せてくれます。

あたかもスペインにファシスト政権を安定化させてしまった1960年代の欧州の無力感を代弁するかのように、革命活動の25年選手である主人公の疲労感が色濃く感じられる作品で、過去の青雲の志の残影が現在の活動のモチベーションとなっている中年の心象を痛く表していきます。そして、若い世代の活動家達に青春の熱意と躍動を見出しながらも、その一途な熱さにちょっと辟易する経験者の逡巡感覚も上手く描いて-革命家のみならず、世間一般のミドルエイジの走り続けてきた人生への疲れと若者世代との断絶を活写しているのであります。
主人公のパートナーとしても、糟糠の妻:イングリッド・チューリンと情熱的な同志の愛人:ジュヌヴィエーブ・ビィジョルド(23歳♡)が対称を成している作劇で、中年男性の過去と現在への想いを具象化しています。
更に、「夜と霧」以来の名パートナーカメラマン:サッシャ・ヴィエルニーの流麗でいて人間の内面までも見透かす様な映像も必見の作品で、揺れ動く心の動き&視点を見事に具現化しています。

代表作:「去年マリエンバートで」や「ミュリエル」程抽象的&スタイリッシュではありませんが、逆に平易で理解しやすい作品ですので、M・プルーストの”失われた時を求めて”の如く“記憶と時間”を行き来する“意識の流れ”を感じて観ましょう!

ねたばれ?
1、題名「戦争は終わった」-は平和が来たことを意味しているのではなくて、スペインのファシスト政権のフランコ総統が内戦&2次大戦を経て、長期独裁安定期に入った自身の国家基盤が盤石であることを宣言した演説の言葉に由来しています。
2、本作と同様に長期安定化したフランコ政権に一矢を報いたい中年革命家の足掻きを活写した傑作が「日曜日には鼠を殺せ」であります。

詳細評価

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