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センチネル

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THE SENTINEL

92

一人旅

5.0

オカルト・ホラーの隠れた傑作

マイケル・ウィナー監督作。 ニューヨークを舞台に、ブルックリンの古風なアパートを借りたファッションモデルが体験する恐怖を描いたホラー。 『脱走山脈』(1968)『メカニック』(1972)『狼よさらば』(1974)のマイケル・ウィナー監督によるオカルト・ホラーの隠れた傑作。主演はモデル出身のクリスティナ・レインズというマイナーな女優さんですが、ジョン・キャラダイン、イーライ・ウォラック、エヴァ・ガードナー、クリストファー・ウォーケン、ジェフ・ゴールドブラム、マーティン・バルサムといった実力派の名優が脇を固めています。 ブルックリンのアパートを借りたファッションモデル、アリソンが体験する恐怖を描いたお話で、“アパートの住人と最上階の窓辺で佇む盲目の神父の秘密”を巡るミステリアスな物語が展開されます。本作はちょうどオカルトブーム最中に製作されたホラー作品群の中の一作に数えられる作品ですから、『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)+『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』(1968)+『エクソシスト』(1973)を足し合わせたような作風です。アリソンがアパートの妖しげな住人たちからおもてなしを受ける場面は『ローズ~』にそっくりですし、スローリーな動きの異形に襲撃される場面はロメロ・ゾンビを意識しています。神父コンビの登場も『エクソシスト』感が出ていますし、クライマックスの異形大集合のモンスターパニックは古典『怪物團』(1932)の影響も見られます。 過去の名作ホラーの要素を色々お手本にしながらも、オリジナリティ+驚愕性に満ちたミステリアスな作劇が秀逸です。『エクソシスト』や『スキャナーズ』(1981)も手掛けたメイクアップアーティスト、ディック・スミスによる特殊メイクも出色です。

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