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大人の見る絵本 生れてはみたけれど

kaz********

4.0

ネタバレ大人の見る絵本を見て何を感じますか

前半、子どもの喧嘩のシーンばかりで退屈だなと感じていたが、専務宅での活動写真上映から俄然面白くなり、最後はうーんと考えさせられる。 吉井さんは課長に昇進し専務の住む郊外にマイホームを買って引っ越ししてきた。息子の良一と啓二はガキ大将だったが、新しい学校ではちょっと勝手が違う。亀吉という少年が家来を従えて兄弟に喧嘩を売る。兄弟は弱い順に家来たちを泣かせて逆に家来にし、専務の息子の太郎までてなづける。子どもたちは、お父さんの偉さを自慢し合うが、太郎は車で通勤する父が一番と自慢する。その岩崎家で活動写真の上映会が開かれることになり、会社の一同が招待される。吉井兄弟と亀吉も参加する。フィルムの中で専務にペコペコする父の姿を見た兄弟は落胆し先に帰ってしまう。帰宅した父に向って二人は「なぜ太郎の父に頭を下げるのか」と尋ねると、父は「社員で岩崎さんに給料をもらっているから」と答える。「給料もらわないと学校にも行けないしご飯も食べられない」と聞いた二人は抵抗し暴れる。ハンガーストライキに入った二人に母はおむすびを作り、「勉強して父さんより偉くなればいい」と優しく諭す。 ラストに、活動弁士が言う。『子どもの世界は無限の青空の下、大人は縁の下。子どもの世界には序列がない。生まれた時のまま。大人の序列を子どもの世界に当てはめようとしたら亀裂が生じる』。まさに『大人の見る絵本』であった。

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