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東京の女 (1933)

監督
小津安二郎
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3.29 / 評価:7件

小津安二郎の短編

  • すかあふえいす さん
  • 2015年7月30日 16時07分
  • 閲覧数 477
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

田中絹代は「非常線の女」の役よりもこの映画の役の方がしっくりくる。確かに今作は作品としての出来はあまり良いとは言えないが、細かい演出とかが気に入っている。

酒瓶、少しずつスライドして釜、食卓の朝の風景に。
靴下には穴が、足袋と靴下が干してある、煙、息子が出かけると母は割烹着を放り投げて化粧を始める。 
着物の上にコートを羽織る出で立ちは「非常線の女」の水久保澄子を思い出す。 
名簿、警察・聞き込み、タイプライター、突然現れる洋画のクレジット。どうやら映画館のようだ。劇中で映されるのはエルンスト・ルビッチ等が参加したオムニバス「百万円貰ったら」のオフィスでの仕事風景。
トーキーの映画をサイレントで流すというのも不思議な感じ。

そして唐突に「東京の女」の違う場面に切り替わる。壁にかけられた警察のサーベルと手袋。
よからぬ噂、疑惑、噂を聞いて「信じられないという」表情、「私だってこんなこと言いたかないわ」という表情、泣きそうになるのを堪え切れず出ていく。男も着物を投げ出し、涙を瞳にためる。

何処かの化粧室、ケバいメイクをする女性たち、電話、噂は真実となって観客の前に叩き付けられる。結ばれた髪はほどかれ、男を誘う女の表情。この変貌振りは岡田嘉子の流石の演技。
近寄る手を振り払い、最愛の姉を引っぱったかねばならない辛さ、頬にやる腕を何度も何度も、涙を流しつつ。  
鏡を見て弟にぶたれた跡を悲しげに見つめる。打ちのめされて夜道をトボトボ歩いていくあしどり、傍らで静かに燃えるランプの灯は消えかかる。
「百万円貰ったら」のパンフレット、しかしゲイリー・クーパーはカッコ良いなあ。「晩春」でも名前が出るくらいだし、小津も好きだったんだろうな。
電話の知らせを入れる小僧、時計屋、凶事を告げる電話。
あの瞬間の髪を乱し気味、ショックを受けた田中絹代の表情がとても良い。顔を見た瞬間に突っ伏して泣き出す。
記者に質問責めされる姉、泣きっ面に蜂ならぬマスゴミ、薄気味悪い表情で素晴らしく殴りたくなる。
姉は「このくらいのことで死ぬなんて」と嘆き悲しむが、弟はそれほどまでに姉を信じ、愛し、心の支えにして生きてきたのだろう。冒頭の煙が再び映しだされる。
道を歩く記者は電柱の記事を読み、笑いながら去っていく。

詳細評価

物語
配役
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