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戦略大作戦 (1970)

KELLY'S HEROES

監督
ブライアン・G・ハットン
  • みたいムービー 35
  • みたログ 347

4.00 / 評価:137件

ケリーの英雄たち

  • ぷあんさにっと さん
  • 2010年4月15日 2時11分
  • 閲覧数 606
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

1.はじめに

これは、戦争映画の常識を覆してしまっている。
戦争の悲惨さを描いて、平和を訴えるのが普通なのだが、この映画に出てくる人物はそもそも戦争には興味がない。
それよりも金塊なのだ。
敵地にある大量の金塊を奪って贅沢な暮らしをしようというのだ。

戦争のさなかでありながら、この当たり前過ぎる個人主義が心地よい。


2.タイガー戦車について

この作品で登場する独軍の戦車の通称は「ティーガー?」である。

【主砲】
8.8 cm KwK 36 L/56

【装甲】
前面 100 mm
側面および後面 80 mm
上面および底面 25 mm

この戦車は、機動力を犠牲にしても、火力と装甲を強化した重戦車。
1.6km以上の距離で敵戦車を撃破したといわれる。
反対にアメリカ軍のM4シャーマン戦車は、0kmの距離でも、ティーガー? の正面装甲を貫通できなかった。

このティーガー?が連合軍兵士に与えた心理的影響は大きく、、「タイガー恐怖症(タイガー・フォビア)」を引き起こした。連合軍兵士はティーガーを見かけると立ち向かうよりも逃げ出した。

本作中でもM4シャーマンの戦車兵が、ティーガー?に遭遇した際の恐怖を語っている。


3.戦争の描写 ここで描かれる戦争のシーンは、矛盾と皮肉でいっぱいだ。

(1)誤爆

冒頭のシーンからして、味方の迫撃砲らしきもので爆撃を受けるシーンである。
味方の誤爆が終わると、本物のドイツ軍が砲撃をしてくる。
さらに、金塊を奪うためにクレアモントに向かう途中でも、味方の戦闘機から機銃射撃とロケットの攻撃を受け、、トラックが大破して徒歩で敵地へ向かうことになる。
そもそもケリー元中尉は、上官の命令で砲撃したら、そこが味方の陣地だったため、降格されたという経歴の持ち主だ。

(2)上官の身勝手さ

敵の陣地を攻略できそうになると後退を命じられる。
司令官の甥が部隊にいるので、戦死しないようにするため。
その甥は司令官のために、ヨットを運んだり、パリに買い物に行ったりする。

(3)兵士の厭戦気分

作戦行動から外れた金塊奪取作戦が本作品だが、「月給 50ドルで戦死するより、俺は1600万ドルの金塊のために行く」という兵士がおり、
戦車兵のオッドボールは、「突撃せよ」と命令する上官を置き去りにして逃げてしまい、報告もせずに毎日を酒と女に明け暮れる。


4.キャスト

元中尉のケリーを演じたクリントは、特に目立った芝居らしい芝居はしてないように見える。
作戦の準備を冷静に行い、その後は、部隊の指揮をビッグ・ジョー曹長(テリー・サバラス)に任せている。
特に感情を表さないでスットボケているところがコミカルなんでしょうか。

戦車兵のオッドボール軍曹(ドナルド・サザーランド)は異色のキャラクターだ。
戦闘をする熱意があまりないようで、司令官が戦死した後も報告せずに、町で勝手に待機している。
肝腎なクレアモントの戦いでも、シャーマンが故障するとワインを飲みながら日光浴をする。
モリアーティ一等兵(ギャヴィン・マックロード)が悲観的になりがちなのをしきりと揶揄している。
M4シャーマンに大きなスピーカーを付けて、音楽を鳴らしながら進軍するのは、戦争中なのにノーテンキだ。
スヌーピーらしき犬の吼える声を真似るのも人を食っている。
ちなみに、ドナルド・サザーランドは「スペース カウボーイ」(2000年)で、クリントと再共演する。


5.スタッフ

クリントと親交が深かったブライアン・G・ハットン監督は、「荒鷲の要塞」(1968年)に続けて彼に出演を要請。
大作アクションの演出は、大勢のエキストラや爆発物を扱うので、撮影に日数もかかり苦労も多かったろうと思う。
監督に転向するまでは、「OK牧場の決斗 」(1957年)や「ガンヒルの決斗」 (1959年)やTVドラマ等に俳優として出演している。

ラロ・シフリンは、「続夕陽のガンマン」(1966年)のパクリみたいなのを使ったりして(クレアモントでのタイガー戦車の戦車長との取引のシーン)、本作の雰囲気に合った軽妙な音楽を提供している。

詳細評価

物語
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音楽

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