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早春 (1970)

DEEP END

監督
イエジー・スコリモフスキ
  • みたいムービー 47
  • みたログ 113

3.95 / 評価:58件

早春

  • bar***** さん
  • 2018年11月20日 19時03分
  • 閲覧数 375
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

早春。

スコリモフスキ監督の青春映画です。

独特な表現が見事なほか、ストーリーも狭い範囲に区切った上で緻密に練られており、病的な恋愛感情(=独占欲)が痛々しいほど描かれています。

主人公の青年はまだ成熟しておらず、我欲が強く、そして程度を知りません。またやや情緒不安定な存在として描かれており、尊大な精神の裏に、自信のなさや劣等感のようなものが紛れ、それが魅力的でリアルな、目の離すことのできない多重存在的なキャラクターにしています。

相手の女性は経験豊富というほどではないにしろ、街の女として経験を積んだ、ややしたたかな女性として描かれます。主人公の恋心を分かっておりながら、婚約者、中年の愛人、そして主人公とさまざまな男と唇を重ねます。

しかしこの中年の愛人に対しては、今作のテーマと併せて語られるべきです。今作のオープニングとエンディングにある「歌詞」――今日死ぬかもしれないのに――これには、反権力的な意味合いが込められています。

大人として一定の権力を持った人間が、若い人間と対立構造を取ることを、この映画は若者の立場から見せているのです。そこに彼女の悲しみが隠されている。

これすなわち階級闘争と捉えてしまっては強引すぎると思いますが、若者からすれば「大人との対立構造」は恋愛と並ぶべき重大テーマといえます。今作もその視点から語られていると言えます。

悪や正へと揺らぎがちな青年たちの重大な表現をこの作品は行っていると思います。スコリモフスキの人間に対する透徹された視点は非常に面白く感じます。

少し気にかかるとすれば、やや場面全体が重くなりがちなところでしょうか。少し息が抜けるように、工夫するべき余地はあったと思います。

詳細評価

物語
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音楽

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  • 知的
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