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折鶴お千 (1935)

監督
溝口健二
  • みたいムービー 1
  • みたログ 19

3.80 / 評価:5件

ほっと吹く息、薄紅に、折鶴は…

  • bakeneko さん
  • 2012年12月25日 19時18分
  • 閲覧数 823
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

17歳の山田五十鈴が凄艶な美しさを魅せる-泉鏡花の“売色鴨南蛮”の溝口健二による映画化で,「滝の白糸」(1933年)と並ぶ“泉-溝口コンビ”の大傑作であります。

「滝の白糸」の姉妹編ともいえる作品で,残念ながらクライマックス部分が欠損している(それでも傑作の)「滝の白糸」に比べて,全編きちんと残っている奇跡的な傑作であります。
泉鏡花の原作短編のクライムサスペンス部分を強化した脚本に,当時新しい映画手法として「カリガリ博士」等で絶賛された,想像&幻想&回想場面の挿入や時間列の置換&特殊映像を取り入れた映画で,流麗な演出作劇に惹き込まれます。
何と言っても山田五十鈴が創り出した“お千”が素晴らしく,
17歳の若さで“をんな”のうつくしいものの全てを凝縮した女性像は神がかり的な輝きを放っています。
また,ロケーションを行った(今は無い)万世橋駅(秋葉原の辺りです),神田明神の風景や“済生学舎”という医学予備校システム等も時代を感じさせる作品で,衣服や文化も泉文学の世界を現出させています。

女の情とまごころを幽玄な美しさまで昇華させた原作を見事に映像化した作品で,
折鶴のシーンは原作の“ ほっと吹く息、薄紅に、折鶴はかえって蒼白く、花片にふっと乗って、ひらひらと空を舞って行く…”の文面を上回る叙情性を魅せてくれます。

サイレント(サウンド版)バージョン,弁士バージョン(松井翠声、澤登翠)等,幾つかの版がありますが,分かり易い版だったら澤登翠弁士バージョン,国語の得意な方はサイレント版の音を消しての古い日本語字幕を味わいながらの鑑賞が文面も味わえるかと思います(一番問題なのはサウンド版のバックミュージックで,ブランデンブルグ協奏曲の3番はちょっと…)。


ねたばれ?
御煎餅って酒の肴になるのかなあ?

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