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舗道の囁き (1936)

監督
鈴木傳明
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4.33 / 評価:3件

戦前唯一の本格和製ミュージカル!

  • bakeneko さん
  • 2016年3月14日 8時03分
  • 閲覧数 639
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

戦後の大映のプロデュサーとして有名な加賀四朗(加賀まりこのお父さん!)が、“アステア&ロジャースのミュージカルを日本でも!”―という意気込みで友人の鈴木傳明らと共に創った本格ミュージカルで、本場アメリカでタップの修行をして帰国したばかりの中川三郎と日系2世で人気歌手&フラダンスの名手だった:ベティ稲田の歌とタップがふんだんに盛り込まています。

本映画は、当時松竹から飛び出したばかりの大スター:鈴木傳明が監督・助演を務めたことで、公開直前に松竹から圧力が掛かって一般公開されなかった作品で、終戦後の昭和21年に、「思い出の東京」として数日公開された後はフィルムが行方不明になっていました。
1992年にカリフォルニアのUCLA図書館の映画アーカイブの中から偶然発見されて遺族に返還されて復刻し、現在ではDVDも発売されて漸く一般に見ることができるようになった幻の作品であります。

アメリカの人気歌手のヒロイン:ベティ稲田が日本デビューに際して悪徳プロモーターに引っかかり興業費を持ち逃げされて路頭に迷うが、偶然知り合ったタップダンサー:中川三郎に助けられ、その兄貴分で興業界に顔の広い新聞記者:鈴木傳明のバックアップで再起するまでを、音楽満載で魅せてくれるミュージカル映画で、“シンプルなストーリーと挿入される超絶ダンス&名歌”という作劇は“アステア&ロジャース”の名作群を見事に翻案しています。
冒頭の“ダイナ”♪から始まる数々の名曲と超絶タップダンスに酔わされる作品で、特に“七輪をパタパタと仰ぎながらベティ稲田が“ブルー・ムーン”を歌い、それに合わせて中川三郎がタップを繰り出す“-シークエンスは見事であります。
また、本作の音楽担当は実質的な映画デビューとなった服部良一(25歳)で、その息子は服部克久(ママと遊ぼうピンポンパン)そしてその孫が服部隆之(ファイナルファンタジー)と連なる日本ポップス音楽家系のスタートとなった作品ともいえますし、本作で新聞記者の妹を演じた、花房銀子(20歳)の初々しい美貌も必見であります日本髪が美しい!)。
そして、“この西洋乞食め!”や(タップダンスを称して)“馬が中気に打たれたようだ!”など…昭和初期の日本の感覚も封入されている作品で、当時の横浜港の様子や旅は船で行われた旅行感覚もノスタルジーを愉しませてくれます。

戦前のミュージカルやオペレッタといえば喜劇調のエノケン作品やオペレッタ風のマキノ作品が有名ですが、よりハリウッドの正調ミュージカルを歌唱&ダンスで目指した稀有な作品ですので機会があったらお見逃しなく!

ねたばれ?
本作で歌われた“ダイナ”は元来ベティ稲田の持ち歌の一つでした。彼女の元に習いに行ったのがディック・ミネで、日本語歌詞に翻案した“ダイナ”の大ヒットでディック・ミネは大スターとなります。そしてそれが縁で一時期ベティ稲田とディック・ミネは結婚していました。

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