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そして人生はつづく

そして人生はつづく

ZENDEGI VA DIGAR HICH/AND LIFE GOES ON.../LIFE AND NOTHING MORE...

91

tk

5.0

ネタバレそして「映画」はつづく…

2022年4月、早稲田シネマにて鑑賞。 上映最終日の最終回、時間ギリギリ入場のため、最後列。 しかし、この劇場はスクリーンが大きいので、最後列でも問題なし。 「そして人生はつづく」は約30年前の公開時に観ている。 だが、これを最後にキアロスタミ作品は観ていない。 なぜかわからないが、この作品があまりにも衝撃的過ぎたこともあると思う。 フィクションか、ドキュメンタリーか、ということを超越したこの映画は、映画製作を志した20代前半のワタシに、映画の可能性は途方も無いということを強烈に見せつけた。 たまたま、時期が重なったこともあるだろうが、ワタシは、その後しばらくの間、映画から距離を置いた。 今回、デジタル・リマスター版を再見したわけだが、もちろん、約30年前に観た映画の詳細まで覚えてはいなかった。 だが、そのせいで、この映画を新鮮に楽しむことができた。 まったく、この映画はどうなっているのだ??? 現実なのか、フィクションなのか、本当にさっぱりわからぬ。 映画とは、奇術(マジック)なのか??? どう撮ったのかは考えずに、そのまま、スクリーンを凝視するしかない。 撮影、公開されたのは、1994年。 サッカーワールドカップ日韓大会が2002年。 公開当時は、まだ、日本ではJリーグができたばかりのころで、一般的にはワールドカップの重要性が理解し難かったことを記憶している、 背景として映し出される地震による災害の光景は、もはや他人事ではない。 虚実だけでなく、時空も行き来してしまった映画のように思えてならない。 2022年の日本では、Hという監督の映画が海外の大きな賞を撮ったということでもてはやされている。 いやいや、キアロスタミに比べれば、子供のようなものだ! 最後に、ラストシーンのジクザグ道のシーンは、大画面の映画館、あるいは、かなり大型のTVにて鑑賞する必要がある。 いや、30年前に観たときに、ワタシはこのラストシーンを理解(認識)したのだろうか? 当時のユーロスペース(移転前)で観たとして、座席やその他の状況次第では、なんだかわからなかったかもしれない。 結局、映画とは、公開時だけに観られるものではなく、時空を超えて存在する。 そのことをまざまざと体現した映画だ。 まさに、「そして人生はつづく」。

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