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金色夜叉

bakeneko

5.0

ネタバレ砂浜でも松の木の傍らでもなく…

読売新聞に1897年(明治30年)1月1日 - 1902年(明治35年)5月11日まで連載された尾崎紅葉の代表作(途中で絶筆し、弟子:小栗風葉によって完結)の、1937年時点で既に2十数回目の映画化で、寛一:夏川大二郎&お宮:川崎弘子の主役に、佐野周二(ちらっとゲスト出演)、大塚君代、佐分利信、三宅邦子(珍しい悪女役)、高峰三枝子、笠智衆(若い!熱血漢の友人役)、日守新一…らが共演しています。 古くは女形時代の衣笠貞之助監督が演じたお宮は、浦辺粂子、田中絹代、山田五十鈴、轟夕起子、山本富士子…らが華を競っていますが、本作の川崎弘子は純情路線で頑張っています。 77分の上映時間にお話が完結するので、どんどん境遇が変化していくドラマとなっていますが、定番となっている―熱海の砂浜で寛一がお宮に蹴りを入れるシーンを、山道に変更するなど意外性も採り入れた演出では驚かせてくれます。 流石に“ダイジェスト感覚”は否めないコンパクトな作品ですが、戦前の熱海はやはり時代色から言っても原作に近い風景を見せてくれますよ! ねたばれ? 金色夜叉の元ネタとしては、バーサ・M・クレー (Bertha M.Clay)の “Weaker than a Woman(女より弱きもの)”が有名ですが、他にも、 主人公・間貫一のモデルは尾崎の親友の児童文学者の巖谷小波でで、彼には芝の高級料亭で働いていた須磨という恋人がいたが、小波が京都の新聞社に2年間赴任している間に、博文館の大橋新太郎に横取りされてしまった。小波は別に結婚する気もなかったのであまり気にも留めていなかったというが、友人の紅葉が怒って料亭に乗り込み須磨を足蹴にしたー説が有名でありますーでも被害者本人が蹴らないとやりすぎな気が…

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