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花形選手 (1937)

監督
清水宏
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3.33 / 評価:3件

筋肉質で格好いい“御前様”☆

  • Kurosawapapa さん
  • 2014年9月16日 7時12分
  • 閲覧数 441
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

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大学陸上部のランナーで花形選手の座を競っている関(佐野周二)と谷(笠智衆)。
学生たちは、軍事演習のための行軍に出発。
部隊は、いつしか子供たちも従わせ、様々な人とすれ違っていく。
途中、関(佐野周二)は、門附の女(坪内美子)とすれ違うが、部隊が夜営することになった村落で、再びその女と出会う。
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タイトルから華やかなスポコンものを予想してしまったが、そこはやはり清水映画(1937年製作)。
学生たちの姿を、淡々と描いた作品。

清水監督は “作為性” を排除し、
スタジオを離れ、映画を自然の即興に委ねていく。

・銃を手入れする学生たちが、昼寝する姿に変わっていくディゾルブ
・集まってくる子供たち
・コミカルなシーン
・キャメラが旅をするかのようなロケーション撮影

本作は、清水流が結実した作品とも言える。


俳優陣は、佐野周二を中心に、笠智衆、日守新一、近衛敏明、大山健二、坪内美子ら。

本作の花形スターは、佐野周二なのだが、
どうしても目は笠智衆に向いてしまう。

小津映画での老翁や「男はつらいよ」シリ−ズの “御前様” のイメージが強い笠さんも、
本作では筋肉質の体を披露、走る姿は実に格好いい!

また、笠智衆が佐野周二を殴打するシーンでは、
精悍な眼差し、男としての逞しさ、そして 優しさも魅せる。

こんなに格好いい “御前様” 、初めて見た!☆


また、佐野周二が坪内美子と、柳の木の下で佇むシーン。
余計な会話はなくとも、目線の演技だけで心と心の触れ合いが伝わってくる。

友情あり、 笑いあり、 人情あり、
清水監督らしい、優しい風を吹かせた作品。


この映画は、戦争が背景にありながら、
俗悪にも汚れず、戦争批判もない。

「 花形選手になりたい、、、 」
そんな学生の純粋な思いだけを描いている。

本作が作られた1937年は、
清水監督の親友である小津安二郎監督、山中貞雄監督が出征した年。

清水監督も、戦争の暗い影を感じていたはずだが、
あえて自己流を貫いているように見える。

自然体を貫くことが、清水監督にとっての反戦だったのかもしれず、、、

そして、自分らしい映画を作り続けることが、
戦争に赴く親友へのエールだったのかもしれません。

( SHIMIZU:No4/9)
監督キーワード:「自然の即興に委ねる」

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