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母の曲 前篇 (1937)

監督
山本薩夫
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3.40 / 評価:5件

17歳の原節子!

  • bakeneko さん
  • 2016年8月31日 21時06分
  • 閲覧数 827
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

アメリカの女流作家:オリーブ・ヒギンズ・プローティの名作:“ステラ・ダラス”を、「花摘み日記」や「鬼火」などの吉屋信子が日本を舞台にして翻案した作品で、奇しくもアメリカ本家での2度目の映画化と同じ1937年に創られた“母もの”の原典とも言える“家族愛映画”の古典であります。

本作を上映した東京の名画座は全会満員御礼でした♡
高名な医学博士と元女工の不釣合いな夫婦とその美しく音楽の才能に溢れた娘が遭遇する“世間の偏見に苛まれる苦難”を描いて、家族を守るために最後に採った母親の自己犠牲的な愛情に涙するー“母もの”映画の原典で、主演の原節子にとっては東宝専属契約第1回の出演作品となりました。
女子高が映し出される映画のファーストシーンから、“花壇に水を遣る原節子”の清新な美しさ(ハイティーンの娘期ですから手脚が細い♡)が輝いている作品で、母親役の英百合子、嘗て父親と進行が在ったピアノ演奏家の入江たか子と、三様の世代&境遇の女性たちの想いが交錯するー“女性映画”でもあります。
戦前の女学校や富士の湖やホテルといった情景なども映し出されていく作品で、当時は中国の大連は日本の租借地であったことも示されます。

大筋とラストは本家の物語を擬っていますが、ねちねちとヒロイン母娘を苛める“良識派の集団リンチ”感覚は、陽性のアメリカよりも日本の共同体社会により良く似合うものとなっています(共同体の秩序に沿わない異分子への偏狭さは今の日本人も変わっていませんよね)。

本家の「ステラ・ダラス」(1937年版:主演バーバラ・スタンウィック)や1990年代に時代を移した「ステラ」(主演:ベット・ミドラー)と見比べると、日米の共通性と相違が面白い作品ですが、サイレント版も含めて娘役は原節子に適う者はいません!(断言)

戦後“母もの”として三益愛子の当たり役&大映のドル箱となったシリーズの原典といえる名作で、“母の無償の愛”の直球描写は怒涛の感情波を生み出していますし、今とはちょっと違う女子高のセーラー服の着こなしとデザインも必見ですよ!

ねたばれ?
1、 本作の監督である山本薩夫は、左翼思想家として特高に度々呼び出しを受けて詰問される日々でしたが、本作の製作後、感動した?特高のお偉方の配慮でマークを外されたそうです(戦前の特高って恐いイメージだけれど、ちょっと可愛らしいエピソードですね)。
2、 母親の女工時代の気の好い知り合いを演じた三島雅夫はこの時30歳!(既に髪の毛が危なくなっています!)
3、 本映画は現在、前後編を合わせた総集編しか存在しません。また、題名の「母の曲」は、原作の邦題“母の悲曲”に由来しています。
4、 “いつもの様に朝御飯は三杯”って、いくら育ち盛りでも…

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