あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
作品レビュー(47件)
- stanleyk2001
4.0点
『存在の耐えられない軽さ』(The Unbearable Lightness of Being)1988 「どうかしているぞ。ソ連はいつも君たちを愛してきた。君たちを守りにきたんだ」 「何から守るの?」 「人生は私にはとても重いのに、あなたにはとても軽い。私はその軽さに耐えられない。私は強くないから。プラハでは愛だけがあればよかった。でもスイスでは全てをあなたに頼るだけ。捨てられたらどうなる?私は弱い。だから弱い者の国へ帰る。さようなら」 主人公は脳外科医トマシュ。病的な女好き。アーティストのサビーナをはじめとするたくさんの女性と関係を持つ。トマシュはある日温泉地に出張してカフェのウェイトレス・テレーザと出逢う。仕事の後に落ち合ったテレーザが読んでいたのは「アンナ・カレーニナ」 後にトマシュとテレーザは犬を買って「カレーニン」と名付ける。アンナ・カレーニナの夫の名前はアレクサンドル・カレーニン。 原作者ミラン・クンデラは「アンナ・カレーニナ」を下敷きにしている様だ。 「アンナ・カレーニナ」は主人公2人のストーリーが交互に語られる。アンナの物語とリョービンの物語だ。 アンナは夫を裏切って軍人ヴロンスキーと不倫関係になり家を出る。そして悲劇的な最後を迎える。 リョービンはアンナの妹キティと色々あって最後に結婚してリョービンとキティは共に田舎の領地で農業を営み地に着いた暮らしを送る。めでたしめでたし。 「アンナ・カレーニナ」は何度も映画化されているけれどリョービンの物語はカットして映画化されることが多い。キーラ・ナイトレイ版は頑張ってリョービンの物語も描いていたがやはり時間不足だった。 映画「存在の耐えられない軽さ」 も(1)トマシュとテレーザの物語と(2)トマシュと別れたサビーナの物語の二つが語られているとも言える。 物語のうちの一つは平穏のうちに終わりもう一つは悲劇で幕を閉じる。 女性の人生を軽く扱うトマシュ。プラハの春を謳歌するが共産党政府から目をつけられ次第に人を軽く扱う事が難しくなっていく。 トマシュは自分自身とテレーザの存在を受け止めて田舎にひっこんで暮らす。 やはり「アンナ・カレーニナ」の影響が見られる感じ。 後年ファムファタル(男の運命を狂わす悪女)役が多いレナ・オリンが自立心を持つアーティスト・サビーナを演じる。翌年公開された「魔女の宅急便」に登場した画家ウルスラを思い出した。ウルスラよりサビーナの方が危ないセクシーさを持ってますけどね。 民主化し始めたチェコスロバキアに危機感を抱いたソ連がワルシャワ条約機構軍の戦車をプラハに送り込んで民主化運動を潰す。今のウクライナで起きていることと同じ。ロシアは周りの国をロシアの一部だと思い込んでいる。 歴史は繰り返す。昔の人間も今の人間も喜劇や悲劇を繰り返す。充実した文芸大作でした。
- Nao san
3.0点
これはただのエロ映画ではありません。政治的な事も、男女の関係も、友情も、芸術性も、生き様、価値観、色々あります。 きっと、歳を取ってからでないと、楽しみづらい作品だと思います。 ダニエルデイルイスは好きな俳優ではないけど、すごく上手かったです。ジュリエットビノシュも、野暮ったいけど、それがいい味でした。 ロシアが今まさに、ウクライナに侵攻しようとしている、そんなご時世に合った映画だと思いました。
- kei********
5.0点
謝ります!若かりし頃のエロのイメージだけで避けてきていました。三十数年経って初めて観ました。素晴らしい作品でした!でも20代で観たら全然違う捉え方だったんだろうな、と感じます。
- 七太郎
4.0点
タイトルに惹かれて20代の時に見た。 記憶に残るよく出来たタイトルだ。 軽いと思った。 この浮気男はなぜか嫌みがない。 ビノシュはかわいい。健気。 映画の後味をぼんやりと覚えているくらいの今、もう一回見たいと思う。 いいはいいでも絶対に感想が違うはず。 TVではやってくれなさそうだからDVD借りようか。 イメージワードに「エターナル」も入れてくれ。
- tk
5.0点
ネタバレ「存在の耐えられない軽さ」の軽さ
このレビューにはネタバレが含まれています。
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