おせんべいの製法は今でも変わらないなあ
- bakeneko さん
- 2009年6月11日 16時28分
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- 総合評価
戦前の、のんびりとした空気と美しい日本情緒を楽しめる、大らかな恋愛喜劇&庶民ドラマの佳作であります。
演技力はさておいて、田中絹代の美しさと可愛らしさの全盛期はやはり戦前であります。
本作は更に妹役で、河野敏子のデビュー作でもあります(ちょっと惚けた感じが”おぼこらしさ”を上手く表現しています♡)。更に本作は、一応2枚目役の佐分利信や、良き父親の河村黎吉の役作りも楽しい喜劇ベースの作品ですが、”繊細な女性心理”も奥ゆかしく描いていて好感が持てます。
また、特筆すべきは”和洋折衷”の風俗の溶け合ったこの時期の文化で、特に”日本髪を結う”ことが日常であった風景には、和風な風情が一杯であります(田中絹代の髷を水戸光子が結うシーンの美しさは鮮烈であります)。また、当時大評判だった”ある映画”のモチーフを借りてきた部分が初っ端に有るので、映画ファンはちょっと驚かされるかもしれません(この当時のドイツ映画は本当に良く引用されています)。
監督の野村浩将の鷹揚な演出もゆったりとしていて、全世代にお勧めの気持ちの良い映画でありますが、お子様にはこの映画に映し出される日本は”別世界”に映るでしょうね。
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