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信子 (1940)

監督
清水宏
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4.00 / 評価:7件

日本映画における“学園もの”の原点☆

  • Kurosawapapa さん
  • 2014年9月20日 7時28分
  • 閲覧数 705
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

清水宏監督による昭和15年製作の本作は、夏目漱石「坊ちゃん」の女性版とも言える作品。

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女学校の教師として上京してきた信子(高峰三枝子)は、父親の従妹が営む芸者置屋に住みながら学校に通うことに。
学校では、生徒の一人である有力者の娘が様々な問題を起こすが、事なかれ主義の先生を尻目に、信子は毅然と対処すべく奮闘する。
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品位を重んじる女学校が舞台となった本作。
登場する先生も生徒も、女性ばかり。

並行して描かれる芸者置屋も、女性だけの世界であり、
年頃の娘が対比され、それぞれの苦労や人生の価値観を物語っている。


学校内の映像が多いので、
清水監督が得意とする、移動撮影やロングショットは少ないが、
途中、生徒達がハイキングに出るシーンだけは、見事に清水のキャメラが旅をする。

生徒が先生に恥ずかしそうに手紙を渡すシーンや、
校庭のブランコで見習い芸者がはしゃぐシーンなど、
清水映画らしい 純粋さ や ユーモア も健在。

また清水映画では、左右対称の画が多いのも大きな特徴。
人物の行動や、筋立てまでもが左右対称と言われる。

職員室の構図や、先生の動き、寄宿舎の壁にかけられた絵の配置まで、
左右対称なのは、学校の格式を強調して見える。

本作では、立派な校舎も主人公。
鉄筋の3階建ては、1940年としては驚き!
ロケの背景について知ることはできなかったが、強く学園ものを印象付けている。


保守的な空気の中で一人奮闘する教師の姿や、生徒が実は叱って欲しかったという情景は、現代では見慣れたものだが、当時はさぞかし新鮮だったにちがいない。

本作は、学園を舞台にした日本初の映画かもしれず、学園ものの原点。

主演した高峰三枝子は、デビューして間もない当時21歳。
スタイルも良く、端麗で理知的。

気品漂わせる高峰三枝子の存在感と、
高い技量による洗練された映像が、清水流モダニズムを増している作品です。

( SHIMIZU:No6/9 )
監督キーワード:「左右対称の構図」

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  • 知的
  • 切ない
  • コミカル
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