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ターザン大いに怒る (1960)

TARZAN THE MAGNIFICENT

監督
ロバート・デイ
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4.00 / 評価:1件

人間ドラマが光るターザン映画

  • rup***** さん
  • 2021年6月2日 0時11分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

昔、NHK-BSで『ターザン特集』が組まれた時に録画したビデオで再見。

ゴードン・スコットがターザンを演じた最終作で、1930年代のバスター・クラブの時代から長らくターザン映画を手掛けていたソル・レッサーから権利を譲り受けたイギリスの製作者サイ・ワイントローブによる「ターザンの決闘」に続く第2弾です。

前作「ターザンの決闘」は、それまでのマンネリを打破して荒々しいアクション映画としての新たな一面を切り開いた作品として総じて高く評価されているのですが、ターザンが悪人一味を延々と追うマンハントに終始するため、殺伐とした印象を受けてしまって、私はそれほどのめり込めませんでした。

一方、本作は、一言でいうと犯人護送劇。刑事ものの刑事や西部劇の保安官の役割をターザンが担うことになるというもので、道中の人間ドラマに観ごたえがあるので、個人的には本作のほうが好みです。

冒頭に、ジョン・キャラダインが演じるアベル・バントンと彼の4人の息子たちからなるならず者一味による鉱山会社の給与を狙った強盗事件があり、そのとき一味を追跡した現地警察のウィンタース警部は、指名手配中のコーイ・バントンを捕らえることに成功。
ところが、アベルらの襲撃により、ウィンタースは殺されてしまい、ウィンタースの友人であるターザンは、捕らえたコーイを警察本部のあるカイロビの町まで護送することを決意します。

コーイを演じるジョック・マホニーは、本作の後、スコットを引き継いでターザンを演じることになるので、新旧ターザンが敵同士としてあいまみえることになるわけですが、マホニーは、次回作「ターザンと猛獣の怒り」を観る限りでは、本作のコーイ役のほうが役にはまっていました。

コーイを捕らえたターザンに対して、バントン親子の報復を恐れて協力を拒む町の人々の描写は、「真昼の決闘」以降の西部劇でよくみられるようになったパターン。
バントン一味はコーイを連行するのを阻止しようと、護送に使おうとしていた連絡船を襲い、船を焼き払ってしまいます。
その連絡船に乗っていた乗客が数名いて、船を失った乗客たちは、目的地までターザンや彼に連行されるコーイとともに、ジャングルを旅することに。

その道中は、アンソニー・マン監督の「裸の拍車」にも似たシチュエーションで、連行されるコーイが余裕たっぷりな憎々しい悪人ぶり。
後を追ってくる父親たちにルートを知らせるために小細工を仕掛けたりするのが面白いです。

さらに、ターザンたちの一行の中には、歳の離れたエイムス夫妻(ライオネル・ジェフリーズ&ベッタ・セント・ジョン)がいて、夫が戦時中の武勲を誇らしげに語って尊大に振る舞っていながら、本性は臆病者であり、そんな夫に年若い妻は愛想をつかしているという、ゾルタン・コルダ監督の“The Macomber Affair(決死の猛獣狩り)”においてロバート・プレストン&ジョーン・ベネットが演じた夫妻を思い起こさせるような関係性なのが、単なるジャングル道中劇にとどまらないドラマとしての深みがあって、とりわけジェフリーズの演技が光っています。

そんな若妻をコーイが誘惑して味方につけてしまうのがスリリングな展開になっていて、跡を追ってくるバントン一味の不気味さもあり、絶えず緊張感が持続されていき、中弛みせずに話が進むのが良いです。

ゴードン・スコットが演じるターザンは、本作が6作目ということもあってか、役が板についていて安定感があります。
終盤のアクションは、マホニーも上半身裸で同じスタイルになったターザンとコーイの激しい格闘劇がお楽しみですが、マホニーは、やはり服を着ているときのほうが魅力的。

ジェーンとボーイの出演はなくて、チータも序盤にちょこっと出てくるだけで旅には参加しません。
英国製の冒険アクション映画というテイストが強く、ワイズミュラーの初期の頃(特にMGM時代)にみられたホームドラマ的要素が皆無なのは味気なく感じるものの、全体としてはよくまとまった作品になっていると思います。

詳細評価

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