みかへりの塔
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(6件)

切ない40.0%恐怖20.0%かわいい20.0%コミカル20.0%

  • oir********

    3.0

    ネタバレ大人目線だとイライラ子供目線なら理解可能

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • kih********

    5.0

    現代人こそこの学院を『見かへり』すべし。

     清水宏監督作品を連続して観ているところだ。彼の作風も分かってきた。好感が持てる。戦前の日本の空気が透き通って伝わって来る。決してハッピーな時代だったとは思わないけど、アンハッピーだったとも言い切れない。不安感や緊張感に支配されながら、それでいて、不思議な安堵感や余裕がある。一体何だろう。  笠智衆氏若かりし頃の「先生」役が嵌っている。私の父も教員だったが、その口調は、今思えば笠先生のそれだった。説諭こそがその真骨頂だった。それで世の中が通った。今となっては、ただ「古い」だけだ。  戦後になって、笠先生は『二十四の瞳』の分校場で「おとこ先生」になるが、全く精彩がない。明らかに「古い」のだ。しかし、『見かへり…』学院は、今でいうコミュニティースクールの原型であって。超「新しい」のだ。笠先生が淡々と説明をする。「ここは、学校・家庭・地域社会が一体となって……」。その経営ビジョンは現代教育に強く求められているのに、現状は遠く及ばない。戦前に、『見かへり…』学院がそれを実践していたのだ。どちらが「新しい」のか分からなくなる。  健康な精神は屋外で育つ。生きた学力は労作で育つ。―― これもまた「古い」かもしれない。しかし、学院での水路作業(実際には危険すぎて不可能なことだが)によって、精神や学力が甦った。今の、スポーツ奨励や体験学習などとはスケールが違う。  清水監督作品は、戦後の社会を見ない(知らない)まま戦前社会において(リアルタイムに)、戦後に見える「新しさ」の原型を示している。この学院から学ぶことは多い。現代人にこそ『見かへり』が必要だ。

  • Kurosawapapa

    4.0

    清水宏監督が天才と言われた理由☆

    小津安二郎監督が、溝口健二監督が、山中貞雄監督が、天才と呼んだ男・清水宏。 この映画は、大阪の河内にあった非行児童の救護施設「修得学院」の院長・熊野隆治の手記をまとめた豊島与志雄による「みかへりの塔」を原作とし、清水宏監督がシナリオ化した作品。 ======= 盗癖、浮浪癖、浪費癖など、大勢の非行児童を集めた学園では、教師や保母が彼らとの共同生活に苦労していた。 ある日、学園に1つしかない井戸が枯れそうになり、先生、生徒全員で裏山の池から水を引くという大事業が発案される。 ======= 走るSLの超ロング・ショット。 笠智衆と女性たちの歩く姿を、前後の移動カメラで捉えたシーン。 冒頭から清水流の映像が連なっていく。 清水映画には、しばしば子供、娼婦、学生、障害者が登場。 監督は、彼らのありのままを捉え、内面深くを見つめていく。 この施設では、普通の無邪気に見える子供たちが、 平気で嘘をつき、物を盗み、悪事を繰り返したりする。 子供たちの突飛な部分や、歯茶目茶な持論など、 一見笑い話でも、そこには危険が存在。 すぐそばに線路があり、 猛スピードで走っていく蒸気機関車も、時として緊張感を増している。  “幼稚” と “逸脱”   その 境 を行ったり来たり、 清水監督は、巧みに子供たちを描き出しています。 また、そんな子供たちに、我が子のように愛情を注ぐ教師と保母たち。 笠智衆 と 三宅邦子、二人の安定した演技が本作を支えている。 同じ清水宏監督の名作「風の中の子供」と比べると、 本作に登場するのは、かなりイレギュラーな子供たち。 しかし、込められたエッセンスは変わっていない。 子供たちを自然の一部として捉え、慈愛の眼差しを注ぐ清水監督。 子供たちを誇張することなく、意地悪な視線を浴びせることもない。 かといって、わざとらしく優しさで包み込むこともせず、 適度な距離感をもって、鷹揚に見つめていく。 父の鐘・母子の鐘が鳴る、学院のシンボルになっている “みかへりの塔” 。 最後は、子供たちの 明るい声 と 鐘の音 が、いつまでも余韻に、、、 清水宏監督が次々と名作を生み出していった理由が、 分かるような気がしました。 ( SHIMIZU:No7/9 ) 監督キーワード:「子供、娼婦、学生、障害者」

  • d_h********

    5.0

    ネタバレ今の日本人が見るべき映画

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • ********

    5.0

    鐘が聞こえる範囲

    実在した非行少年の救護施設に基づいた社会派ドラマ。何度も逃げようとする子供たちが力を合わせて水路を作り、退院するまで。うじゃうじゃとうごめく子供たちを、高低差のあるあぜ道を走らせて撮るすばらしい画面の連続です。 特にすばらしいのは音の表象。誰かの母が来れば「○○のお母さん来たぞー」と伝言ゲームのように子供たちの口を次々に写し、施設の脇を通る電車の音が鳴るとほぼ必ずその本体も写る。カメラは音を追うように横移動もする。ところが、鐘の音の場合は音源が写らない。まるで鐘が聞こえる範囲が映画世界の範囲であり、音源など写す必要はないかのように。そして、逃げ出そうとした子供が池で途方にくれると、鐘の音が子供たちを呼び戻す。 この池の水面の光のざわめきや水しぶきの美しさが比類ないだけに、呼び戻す鐘の力の強さがわかります。そして、後半は、この池から施設に水路を引くのがテーマになっていくのだから、やはり「池→塔」への引き戻し、池を鐘の勢力圏内におこうとする境界画定の映画であるわけです。 1941年という時代を考えれば、水路建設は明らかに戦争遂行への一致団結の隠喩であり、うじゃうじゃとうごめく子供たちが一筋の水を追いかけて塔へと向かう場面は「多数性→一本化」を思わせます。塔の上には日の丸が翻る。「戦後の土建国家思想は、モノづくりとともに集団性を養う効果もあったのだぁ。日本のナショナルなものは土建屋さんが支えているんじゃないか」というちょっとかけ離れた想いが頭をよぎりました。 それでもやはり、端正な画面で大勢の子どもが走りまわるシーンと、教師のつらさまで丁寧に描くのはすばらしい。時代を超えた傑作です。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
みかへりの塔

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
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