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戸田家の兄妹 (1941)

監督
小津安二郎
  • みたいムービー 2
  • みたログ 74

3.87 / 評価:23件

どんな映画でもサスペンスは必要!

  • nqb***** さん
  • 2012年3月31日 3時30分
  • 閲覧数 912
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

昭和16年松竹。小津安二郎監督。出演、佐分利信、高峰三枝子、三宅邦子等。

 さすがに昭和16年の作品なので音は雑音だらけで台詞は聞き取りにくいわ、画面は盛大な土砂降りだわで見づらいこと夥しい。が、さすがに小津作品だけあって引き込まれるように見てしまいました。

 戦後の名作「東京物語」を彷彿とさせる作品です。財界の重鎮だった父親が急逝してしまう。ショックを受けた次男昌二郎は満州にわたり自分を見つめ直すことを決意。年老いた母親と父の死でまとまりかけていた縁談も破談になった末娘・節子(高峰三枝子)が残されます。ふたりはすでに家庭を持っている兄、姉の元に身を寄せるがどこでも厄介者扱いされたらい回し……父の一周忌、満州から一時帰国した次男昌二郎は母と妹の窮状を知り怒り爆発!という話です。はすっぱな感じの次男を佐分利信が演じています。なんか佐分利信て星野仙一に雰囲気が似ている。(^^;)

 ややローアングルから見上げるキャメラ、独特の台詞廻し。戦前の作品ですが小津節は健在。ちょい役ながら笠智衆もでてるし。なんとまぁ、若いの若くないのって!青年、笠智衆を初めて見た!しゃべりはあのままですけど(^^;)

 そして毎度ながらブルジョワのお話です。「お父様は若い頃から、よくお飲みになったからなぁ」これ、通夜の席の昌二郎の台詞ですが庶民の家ならばせいぜい「親父は若い頃からのんべだったからなぁ」ぐらいが関の山だと思うんですよ。(^^;)だいたい別れの挨拶は「ごきげんよう」だもの。自慢じゃないがいままで生きてきて別れの挨拶でオイラに「ごきげんよう」なんて言ったヤツは一人もいねーぞ!!(笑)昔の日本の良家の子女というのは実に美しい話し言葉を持っていたんだなぁ…とじみじみ思う。

 隔世の感があるのが女性が働くことに関しての意識の差。良家の子女が働くっていうのは世間体にかかわるという意識が強かったみたいですね、この当時は。高峰三枝子が「働きたい」って姉に直訴する場面があるんですが、一喝されてますもん。

 長男の家で世話になっている時のシーン。長男の嫁(三宅邦子)との不協和音がだんだん高まってゆきついに一触即発の事態に。夜、母と節子が布団に入った後になってこれみよかしにピアノを弾き始める嫁。まんじりとも出来ず天井を見つめたままの母を気遣い節子は「お母様、おやすみになれないでしょ」と声をかける。「あたし、お姉さまに一言いってきましょうか」「…いいよ」布団から起きてガウンを羽織る節子。「どうするんだい」「やっぱりいってきます」「およしなさいよ」…結局、ピアノをやめてもらいにお義姉さんのところに言いにいくんですが、ここ凄くサスペンスフル。もうハラハラしちゃいます。サスペンスっていうのは何もアクションやミステリーだけの専売特許じゃあないんだって事を雄弁に語ってますよね。こういう日常生活の中のサスペンスってすごく効果的。
つまるところ、どんな映画にしろサスペンスがない映画は駄目だと思うんですよねー。

 また、このお義姉さん役の三宅邦子がいいんだわ。ノーブルで冷酷そう。結構好みだったりする。(^^;)

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