伊豆じゃないよ阿波ですよ~
- bakeneko さん
- 2018年10月31日 11時11分
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徳島の民話“阿波十郎兵衛”に基づいた作品で、仇討ちのお話ですがチャンバラシーンは皆無です(オリジナルは97分あったのですが、現在観ることが出来るのは戦後に「劔雲鳴門しぶき」と改題され再編集された71分の短縮版であります)。
1931年に計画するも未完成で終わった “阿波踊り映画”を創りたいと思っていたマキノ正博監督が、日中戦争の勝利(南京陥落)を祝した阿波踊りの復活に際して撮り上げた作品で、阿波踊りの本場・徳島でロケを敢行し(徳島県徳島市の助任川に架かる工兵橋(現徳住橋)付近を中心に、徳島中央公園、津田港、川内町宮島など…)、長谷川一夫、高峰秀子、黒川彌太郎、月田一郎、清水金一、清川虹子、澤村貞子…ら主要キャストが踊りを披露します。
徳島藩の悪家老により無実の罪で処刑された兄:十郎兵衛の敵を討つべく、7年目の阿波おどりの日の前日に弟(長谷川一夫)が徳島に帰ってくる-というお話で、ヒロインに入江たか子、主人公を慕う可愛い宿屋の娘に16歳の高峰秀子が扮しています。
阿波踊りの日に向かって仇討ちの予感が高まってゆく様子を描いた群像劇で、クライマックスの集団演舞に飲み込まれる主要キャラの絵創りは、「天井桟敷の人々」を彷彿とさせますが本作の方が先であります。
チャンバラを期待すると肩透かしな、ラストの舞踏カタルシスに向かって静かに高揚してゆく映画ですが、「鴛鴦歌合戦」、「彌次喜多 名君初上り」のマキノ映画のミュージカル的側面を愉しめる作品ですよ!(娯楽チャンバラ劇が観たい方は、1957年にマキノ監督自身が東映でリメイクした大友柳太朗の主演の『阿波おどり 鳴門の海賊』がお勧めです!―高峰秀子の役は丘さとみ♡が演じています)
ねたばれ?
凶事の遭った日時を目指して、海から復讐の為に還って来る-って「ザ・フォッグ」みたい!
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