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嵐の孤児 (1921)

ORPHANS OF THE STORM

監督
D・W・グリフィス
  • みたいムービー 3
  • みたログ 13

4.11 / 評価:9件

愛と激動のリリアン

  • 一人旅 さん
  • 2017年3月18日 10時07分
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

D・W・グリフィス監督作。

18世紀末のフランスを舞台に、時代に翻弄される姉妹の姿を描いたドラマ。

『國民の創生』(1915)『イントレランス』(1916)『散り行く花』(1919)『東への道』(1920)の映画の父、D・W・グリフィスの傑作。今回125分版ではなく150分全長版を鑑賞したが、おそらく今現在入手しやすいDVDは全長版のみ。主演はグリフィス映画常連のサイレント期を代表する大女優リリアン・ギッシュとその妹ドロシー・ギッシュ。ギッシュ姉妹の共演が魅力というか貴重で、リリアン・ギッシュが妹を想う姉アンリエッタを、ドロシー・ギッシュがアンリエッタの盲目の妹ルイーズを演じる。

革命直前、18世紀末のフランスが物語の舞台。ノートルダム寺院の前に捨てられていた赤子のルイーズが貧しいジラール夫妻に引き取られ、夫妻の娘アンリエッタと実の姉妹同然に大切に育てられる。しかし、ペストの流行により夫妻を亡くし、ルイーズは目の視力を失う。姉妹はルイーズの目の治療を受けるためパリへ旅立つが、途中離ればなれになってしまう。そして、ついに勃発した革命の渦が姉妹を巻き込んでいく…という“激動の時代に翻弄される姉妹の愛と運命”を、18世紀末のパリを再現した街並み&エキストラ総動員の圧巻のスペクタクル映像を交えて描き出す。

歴史性に富んだ逸品で、フランス革命(バスティーユ牢獄襲撃とその後の恐怖政治)や実在の人物(善玉:ダントン、悪玉:ロベスピエール)が姉妹の人生に深く関わっていく作劇。少数の貴族がその他大勢の平民を搾取するフランスの不平等社会、貴族の豪勢な暮らしぶりと食べ物を求めてさまよう貧民の強烈な対比(貧民の子どもを馬車で踏んだ貴族が子どもではなく馬の怪我を心配する畜生具合)、バスティーユに押し寄せる民衆の怒りのエネルギー、頂点の暮らしから一転没落していく貴族、独裁者ロベスピエールによるギロチン処刑の恐怖…など18世紀末のフランスの世相を色濃く反映した映像・演出は圧巻。

物語の題材として18世紀末の激動のフランス史を採用しているが、テーマはグリフィスらしい普遍的なもの-愛と憎悪。本作は別にフランスの階級社会を批判しているわけではないし、ロベスピエールの恐怖政治を否定しているわけでもない。もっと普遍的に、愛の尊さと憎悪の不毛を説く。とにかく、ギッシュ姉妹が体現する姉妹愛が大変素晴らしい逸品で、愛と希望に溢れた結末に心揺さぶられる。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

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