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花咲く港 (1943)

監督
木下恵介
  • みたいムービー 2
  • みたログ 24

3.70 / 評価:10件

泥船も敗戦も再生への礎

  • kor******** さん
  • 2013年10月8日 18時51分
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

生誕100周年を記念し『はじまりのみち』という伝記的な映画まで作られた松竹が生んだ名監督木下恵介でありますが、私の近所の○タヤもブームにあやかってか、今までまったくストックされていなかった木下作品があれよあれよという間に何本も用意されていました。隠れた名作~のコーナーも同一ですが、安易にシリーズでレンタル数を増やす事が可能なアメリカ・韓国などのテレビドラマにばかり力を注ぎ過ぎて、そもそも置いてないのがおかしな作品を発掘とか謳うのはおかしな話なのですが…。

そんな愚痴はさて置き、記念すべきデビュー作から山中貞雄賞を受賞するなどカット一つひとつに拘りも感じられる上質な作品は現代で拝見しても十分楽しめる出来であります。小沢栄太郎さんをはじめとした昭和の邦画界を支えた名俳優の錚々たる顔ぶれと若さに驚き、笠さんは若いわ、上原謙さんは二枚目だわ、東野さんは相変わらずだとか懐かしい気持ちにも浸りますが、公開の1943年はまだ第二次世界大戦真っ只中。

厳しい検閲の目が光る中、戦意高揚と娯楽をうまく融合させなければいけない作家の苦悩は前出の映画を参考にするにしろ、母国を思う気持ちや、敵国を憎む気持ちはあくまで表面上であり、人生お金が全てではないという筋の通った作家のメッセージが一番の痛快喜劇。

冒頭の馬車でのシーンでバッグに流れるスクリーンプロセスは見事であり、おかのがぺナンを回想するシーンではぺナンに合わせたショットが織り込まれている緻密さには感服致しました。

平和な島に小心者のペテン師が二人同時に出現し、タヌキとキツネが下手ながら手を取り合って化けようと必死になります。小沢・上原のコントにも似たやり取りが小気味よく、善人である街の人々と触れ、次第に心変わりしていく様がなんとも和ましい。

最後のトリックか私の勝手な妄想もしれませんが、名士と謳われる彼等の一応の「父」はもしかして彼等と同じく…なんて考えさせてくれるのもイイですね。泥船はいつか沈みます。ただそれを再生の道と捉える気持ちこそ、戦争に負けたから得られた日本の武器なのではないのでしょうか。

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