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大曽根家の朝 (1946)

監督
木下恵介
  • みたいムービー 1
  • みたログ 15

3.40 / 評価:5件

零落する名家、人間ドラマの秀作

  • おーるどぼーい さん
  • 2008年4月15日 0時28分
  • 閲覧数 557
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

名門・大曾根家が戦争により零落していく姿を通じ、軍部批判を試みた作品。脚本は「わが青春に悔なし」の久板栄二郎。

映画のほとんどが大曾根家の屋敷内で進行し、その中で緊迫した人間ドラマが展開される。長男は思想犯で検挙され、次男・三男・娘の恋人は戦場へ。家は横暴な軍人の叔父(小沢栄太郎)に乗っ取られ、母親(杉村春子)はそれに耐え忍ぶが、反撥した娘は家出する…。

軍部=絶対悪とする批判や朝日に向かって再生を誓うラストシーン(封建主義との決別・民主主義への希望)は、現在の視点では紋切り型の感があるが、映画製作時においては、多くの人々の切実な想いだったのだろう。

そういった欠点はあるが、全体としては見応え充分。戦争が進行し一人また一人といなくなる一家の人間、それとともに高まる不安感・絶望感…。我慢を重ねてきた母親が毅然と叔父に立ち向かう場面で緊迫感を高め、それに続く明(娘の恋人)の帰還シーンは、素早いショットを連続させた演出が冴えわたり、情感豊かな名場面となっている。

出演陣では、小沢栄太郎が傲慢で憎々しい軍人の叔父を、存在感たっぷりに演じている。彼は「醜聞」(黒澤明監督)でも狡猾な雑誌編集長を演じていたが、こういった憎まれ役がとても上手な役者である。

木下恵介の才気が随所に感じられる秀作です。

詳細評価

物語
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