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長屋紳士録 (1947)

監督
小津安二郎
  • みたいムービー 6
  • みたログ 89

4.18 / 評価:18件

実は、人情喜劇の秀作…ではない

  • oda***** さん
  • 2007年6月16日 11時38分
  • 閲覧数 502
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

十数年前、名画座の‘小津安二郎特集’で十数本観た中で、一般に代表作と言われる「晩春」「東京物語」以上にこの作品が一番印象に残っています。

この映画のエンディング…最初よくわからなかったのですが、劇場を出てしばらくして…その意味するところを理解し愕然としました。

一般にこの作品は「小津人情喜劇の秀作」として語られることが多いし、それは間違いではない…のですが、最後の最後に‘落とし穴’があります。


(以下ネタバレ…細かい部分は記憶があいまいですが)

迷子の面倒をみるおばさんと長屋の面々の優しさ・滑稽さに笑わせられ泣かせられ、最後に子供の父親が登場。
涙の再開と涙の別れ…淋しそうなおばさんの様子を見て長屋の住人が
「子供なんかその辺にたくさんいるじゃないか、見つけてこいよ」みたいなこと言って次のシーン…

当時の実際の戦災孤児・浮浪児達の姿が映し出されます!
道端で寝そべったり、タバコを吹かしたりしている様子が…

今まで虚構の‘人情喜劇’を楽しんでいた観客に、いきなり‘現実’を突きつける小津。
公開当時は戦後の混乱がまだ続いていたと思いますが…当時の観客はどのような思いでこのラストシーンを観ていたのでしょうか…。

今作以降の小津は様式深化の道を進み、数々の「完璧な」作品を世に送り出します。

詳細評価

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