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素晴らしき日曜日

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5.0

ネタバレどうか皆さん、拍手を送って下さい!

 …黒澤明監督の全作品をリタイアしてから観ようと思ったが、デビュー作の『姿三四郎』から古い順に観てみる。  …本作は同監督の6作品目(1947)で、録画に失敗していたので、レンタルして観てみる。  …あらすじは、解説の次のとおり。  『とある日曜日にデートを計画した雄造(沼崎勲)と昌子(中北千枝子)。 でも、手持ちのお金はたった35円。  お金がないなりになんとか工夫して楽しいデートをと考えるのだが、そんな二人に容赦ない現実が待っていた。  すっかり惨めな気持ちになって帰路につく二人だったが……。』  二人とも初めて見る俳優だ。  で、二人は少ない所持金ながら(二人合わせて35円=現在の3,000円ぐらいか?)日曜日ごとのランデヴーを愉しむのだったが、如何せん金がない。  話が長くなりそうなので、以下、箇条書きで進めてみよう。  昌子の提案により、入場無料の住宅展示場を見学する。  雄造は全く興味がなかったが、展示場に靴を脱いで上がった昌子のその靴に愕然となる。  靴底がパックマン状態で割れてしまっているのだった。  それでも昌子は、将来そんな家に暮らす二人を夢見て嬉々として語るのだった。  広場で少年たちが野球に興じている。  雄造は俺にも打たせてくれとねだり、打った球は饅頭屋を直撃して饅頭を痛めてしまったので、その饅頭代10円を弁償して残金は25円になってしまう。  話を少し飛ばして、二人は高台のベンチで持参のおにぎりを食べ始める。  そんな二人をジッと見詰める浮浪児が現れる。  で、この浮浪児が結構な金を持っていて、10円でそのおにぎりを売れと言う。  昌子は「お金はいいのよ」と言って、その浮浪児におにぎりを1個あげる。  貧しくとも、昌子は心が優しい。  街中を歩く二人の前を着飾った親子連れが通る。  貧富の差が歴然だ。  で、次に向かったところは動物園だ。  入園料を払ったら残金は23円だ。  幾分か気分がほぐれたが、今度は篠付く雨に見舞われる。  雨宿りする二人。  金もないし、行く当てもない二人。  で、雄造が昌子を自宅に誘う。  雄造の魂胆?に従えない昌子は、「シューベルトの午后 未完成交響曲」のポスターを発見し、そちらに矛先を変える。  で、B席10円の入場券を買うために列に並ぶ。  しかし、B席10円の入場券はダフ屋に買い占められて彼らの前で完売になってしまう。  で、雄造はダフ屋に喰ってかかるが、返り討ちにされてしまう。  箇条書きで書いても長くなってきたので、先へと急ごう。  で、雄造が軽い怪我をしたので、二人で雄造のアパートへ行く。  雄造、唐突に昌子を抱きしめんとする。  昌子、拒否。  昌子、雄造のアパートを飛び出す。  雄造、自分の取った行動を後悔。  暫くして、昌子、雄造のアパートに戻って来る。  昌子、激しく泣き崩れる。  雄造、昌子に謝る。  雨あがって、二人は再び町に繰り出す。  広場で、将来の二人の夢の「大衆のコーヒー店:ヒヤシンス」を開業する二人芝居をする。  場所は変わって、日比谷の野外音楽堂。  雄造は登壇して指揮者の真似事をする。  観客は、昌子一人。  その昌子の顔がドアップになって次のように言うのだった。  『皆さん、お願いです。  皆さんの温かいお心で、どうか励ましてやって下さい。  世の中には、私たちのような貧乏な恋人たちがたくさんいます。  世の中の冷たい風に、いつも凍えていなければならない恋人たちのために、どうか皆さん、拍手を送って下さい!』  見ている観客に向かって哀願するのだった。  で、昌子の願いが届いたかのように、初めてのランデヴーの時に聴いた「未完成交響曲」が静かに奏でられ始めるのだった。  で、ウォルシュさんの次のレビューのとおり、ものすごく素敵な愛すべき作品だった。  『音楽といえば未完成交響曲 昌子の願いに思わず拍手を送り 透明な音楽が心に響いてきた 素晴らしき日曜日 私にとってはこの作品を鑑賞した日が 素晴らしい一日になりました。 映画を観て幸せな気分にさせられたのは 久しぶりでした。 一生心に残る作品です。』

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