ここから本文です

我が恋は燃えぬ (1949)

監督
溝口健二
  • みたいムービー 1
  • みたログ 13

3.00 / 評価:5件

正しさの説得力

  • 文字読み さん
  • 2014年5月26日 23時57分
  • 閲覧数 395
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

1949年。溝口健二監督。福田英子「妾の半生涯」を元に、明治時代、政治的自由だけでなく性的な自由を求める女性の力強さを描く。田中絹代の英子の「正しさ」がまったくぶれることがなく、愛にほだされて苦しむ場面がないので、入り込みにくい。劇中の田中はすくっと立っているか姿勢正しく座っているかであり、泣き崩れても膝を崩さない。それに比べて男に翻弄される無知な女性(水戸光子)はおろおろ、めろめろ、動きが大きく、彼女が最後に英子についていくと決断するのが見ものなのだが、その決断に映像的な説得力があるわけではない。女性同士の絆を表す過剰な密着シーンが二度あるくらいか。この場面はすばらしい。

政治映画として観念的な説得力があるだろうか。男の愛への不信という溝口監督のテーマは他の作品と一貫していると佐藤忠男は書いていて、それはそのとおりだけれども、田中が裏切られても平然と受け止めてしまうので、やはりテーマが浮き上がってこない。一番気になるのは、女性の自由といいながら、経済的な裏付けに触れないので、それなりに金まわりがよさそうな田中の存在がとても薄っぺらく見えること。体まで売っている水戸との境遇の違いが描かれないまま女性の自由といわれても。親の援助なのか自分で稼いでいるのか男の金なのか、それが大切では。

一対一の男女関係に第三者が入り込んできて、その第三者が関係を壊していくという形で新しい形へと進んでいくので展開はきわめてスムーズ。この弁証法的ともいえる進みゆきのラストが女性同士の関係でおわるところが溝口監督らしいといえばらしいのかも。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ