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望みなきに非ず (1949)

監督
佐伯清
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3.00 / 評価:2件

戦後5年の日本の縮図

  • bakeneko さん
  • 2018年9月10日 16時49分
  • 閲覧数 83
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

読売新聞連載の石川達三の同名小説の映画化で、戦後5年を経て戦前を引きずった生活から心機一転再出発を試みる旧帝国海軍の元艦長一家を中心として、市井の人々の生きてゆくための日々の奮闘を活写してゆく戦後群像劇の佳作であります。

戦前は艦長だった矢吹(小杉勇)は、戦後も定職に付かず、戦前に蓄えた財産を売って日々を食い繋いでいる。強盗に腕時計を盗られた翌日昔の部下の水兵(堀雄二)に会ったところ、妹(若山セツ子)と二人で電気器具屋を商っているが、近く田舎に引き込む予定で、店を譲っても良いとの事だった。戦前気分が抜けきれずに働くことに不賛成な妻(竹久千恵子)や居住権を楯に取る下宿させている従兄弟(江見俊太郎)のずうずうしい学友たちに手を焼いているうちに、隣の未亡人(木暮実千代)を巡る恋の争奪戦が起こり、更に電気店を営んでいた水兵は強盗のお先棒を担いでいたことが判って…という、戦後の焼け跡時代の日本人の暮らしを主人公とその周囲の人々に集約してみせる作劇となっています。様々な境遇の人間が何とかして現状を打破すべく奮闘する中で、必ずしも好ましい方向でない運命に引きずられて行く-“現実のシビアさ”を見せながらも、明るい未来への希望を灯してゆく作劇となっていて、当時19歳の若山セツ子の健気な笑顔を見ているだけで何とかなる気がしてきますよ!

ねたばれ?
1、 未亡人のテーマ曲はメキシコの代表的なヒット曲である:エストレリータ(小さな星)♪(1913年作)
2、 当時は鶏肉を食べても羨むほどの贅沢だったんだ!
3、 電気屋に在庫があるのは“東光電気のトウランプ”、また東京海上火災保険の看板も映し出されます-(スポンサーだったのかな?)

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