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野良犬 (1949)

監督
黒澤明
  • みたいムービー 36
  • みたログ 580

4.05 / 評価:219件

時代背景を生かした極上のサスペンスドラマ

  • Beautiful Movier さん
  • 2013年7月22日 21時50分
  • 閲覧数 925
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

恥ずかしながらオリジナルの「野良犬」を観る前に、
先日テレ朝でリメイクされていたスペシャルドラマを先に見てしまった。

黒澤ファンに散々すすめられた「野良犬」でしたが
リメイク版を観たときは、ありふれていて面白みを感じませんでした。
不注意から拳銃を奪われた若い熱血刑事が、
自身の拳銃で引き起こされた事件の罪悪感に苛まれながら、
犯人探しに奔走するという筋。
もはや細部を忘れてしまったほど、物語に深みを感じませんでした。

プロットはオリジナルに沿って作られていたのですが
それで面白くないとは…オリジナルは本当に傑作なのか?

そんな疑問はオリジナルを観て一気に解決しました。
プロットが魅力、というよりは1960年において書かれたあの脚本が魅力なのです

両者の一番の違いは、時代背景が事件に影響しているか否か、であるかと。
オリジナルは時代を上手く取り込んで、
色褪せない魅力を生むことに成功したように感じます。

一番象徴的な場面は、あの有名なクライマックス。
村上刑事と遊佐が対峙するシーンです。
近所の家から優雅なピアノのソナチネが聞こえてきます。
二人は復員兵で境遇も似ており、時代に飲まれながらも
泥臭く生き抜いている「ブルーカラー」タイプ。
一方、ピアノを弾いている女の人は戦後間もないというのに
家にピアノを持っている、非常に裕福な「ホワイトカラー」の象徴。

クライマックスの対峙で言葉を使わず、
音楽と映像だけでこの現代の闇を描くことで、
粋に人物描写と物語を深淵にすることに成功していたのかと。
その神懸った映像といったら…!鳥肌ものです。


世界のミフネとクロサワを満喫しました。
☆5つ。三船さんは男前ですねえ…!オーラが凄い

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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