小原庄助さん
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(4件)

笑える11.1%切ない11.1%悲しい7.4%勇敢7.4%泣ける7.4%

  • Kurosawapapa

    5.0

    名作!器のデカさ・懐の深さ☆ :まとめ付

    福島県の民謡「会津磐梯山」の歌詞に出てくる小原庄助さん。 『 小原庄助さん なんで身上(しんしょう)つぶした 朝寝 朝酒 朝湯が大好きで それで身上つぶした ハァ もっともだー もっともだー 』 そんな “小原庄助さん” を主人公とした本作は、 シンプルなタイトルからは想像もつかないほどの名作! 自分が見た9本の清水映画の中でも最高作☆ ======= 旧家の当主で朝寝・朝酒・朝湯をたしなむ杉本左平太は、人々から “小原庄助さん” と呼ばれている。 人望が厚い一方で、人の良い左平太は、子供から大人まで何でも頼まれると断り切れず、自分の財産をどんどん分け与えたため、すでに破産寸前だった。 ======= 主人公は、 ・金銭にこだわらない ・万民に手を差し伸べる ・迷いなく自分を犠牲にできる そんな人物。 たまに愚痴もこぼしたり、不都合な事から逃げたりもするが、それもまた人間味として親近感が湧く。 主人公を演じた大河内伝次郎は、実に鷹揚な演技を魅せています。 また本作は、清水映画の中でも、かなり笑える作品。 大河内伝次郎には「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」の時も笑わされたが、本作も同様。 野球の球を股間に当てたり、お茶代わり(酒が入っている)のくだりなど、 脚本も書いた清水監督は、こんなに笑いのセンスに長けていたのかと、感心する。 俳優陣は、他にも ・凛として夫を支える妻・おのぶ役に風見章子(90歳を越え今も活躍中) ・情深い婆や役に飯田蝶子 ・よき友人でもある和尚役に清川荘司 ・借金取りに名傍役の田中春雄 田中春雄は、強い立場でありながら、相手を慈しむ名演を披露。 本作では、悪い人間は1人も存在しません。 泥棒にさえ、そうならざるを得なかった経緯を持たせている。 後半、主人公が本音を吐露するシーンは、なんとも切ない。 時代の変革を背景とし、一家の衰退とともに “決して失わないもの” を描いた本作。 *すべてを受け入れることのできる度量 *自分を犠牲にしてまで相手を慈しむことのできる懐の深さ 「小原庄助さん」という作品にも、人物にも、 自分は、ファンになってしまいました☆ ( SHIMIZU:No9/9 ) 監督キーワード:「天才・清水宏監督」 ===== 清水宏監督作品9本レビュー・まとめ ===== これまで、日本映画を監督別にまとめて鑑賞した時の、一言で表した監督イメージ。 *黒澤明監督   「底力」 *小津安二郎監督 「潔癖」 *溝口健二監督  「癇癖」 *成瀬巳喜男監督 「寡黙」 *今井正監督   「信念」 *岡本喜八監督  「慈愛」 *市川崑監督   「挑戦」 *今村昌平監督  「本能」 そして、今回の清水宏監督を表現するなら「自然」。 それは、大自然の「自然」であり、自然体の「自然」でもあります。  “清水宏のキャメラは旅をする” と、言われます。 作為性を排除し、スタジオを離れロケーションを多用、 大自然を背景に、映画を自然の即興に委ねた清水監督。 登場するのは、沢山の子供たち、娼婦、学生、障害者など。 俳優には、新人や素人を起用し、極力人為を避け実写的精神を重視。 人もまた自然の一部であるかのように作り上げました。 ・道のど真ん中にキャメラを据えた縦長、左右対称の構図 ・歩く姿を捉えた真正面、真後ろからの移動撮影 ・超ロングショット そして ディゾルブ 得意とするテクニックを、どの作品にも惜しみなく取り入れ 清水流 を確立。 また、傘をさす女は、清水監督が最も愛した静止画と言われ、 清水映画では度々見ることができます。 深い余韻を残す日本画のような美しさも、清水映画の大きな魅力。 出来上がった作品は、どれもエッセイ的で、 それでいてクスッと笑ってしまうような情緒豊かな名作ばかり。 小津安二郎監督が、溝口健二監督が、山中貞雄監督が、 清水宏監督のことを天才と呼んだ理由が、分かるような気がしました。 天衣無縫の自然児、清水宏監督。 そんな巨匠に、謹んで敬意を表したいと思います☆

  • sem********

    5.0

    なんで身上つぶした?

    清水宏で3本揚げよと迫られたら逡巡して「蜂の巣の子供たち」(「洒落て言えば愛情かな」は名せりふ!)「恋も忘れて」(桑野通子がもっとも美しい!)そして「小原庄助さん」を選ぶだろう。 「小原庄助さん」は子供や新人俳優を使い瑞々しいポエティックな作風の清水宏には珍しく(とは言っても全部見てないし見れないし知ってる限りでは)、人生の悲哀に満ちたユーモアにあふれた小品である。 (おそらく)戦後、農地解放によって力を失っていく元大地主の物語。「小原庄助さん」を地で行く主人公はバカ正直で人がよく、朴訥で鷹揚である。なんでかいつもロバに乗っているのがユーモラスである。子供にからかわれても一向に介さず、朝寝朝酒朝湯を楽しむ(羨ましい)・・・それは積極的に散財し、先祖代々の「大地主」の呪縛から開放されるようでもあった・・・。 清水好みのキャラクターと社会風刺とも受け取れる皮肉とペーソスに満ちた物語。 大河内伝次郎も風見章子も飯田蝶子も名演である。 それにもまして、暗澹とした雰囲気になりがちな物語を、老成したような達観したような清水のテンポと眼差しが何よりも優しい。 (でも現場では大河内先生とぶつかってばかりだったとか) すべてを失った「小原庄助さん」は、いったんは姿を消した妻とともに歩いてゆく。 そこに被さる「つづく」というエンドマーク。 もちろん続編を企図したものではない。 「小原庄助さん」の人生が「つづく」ことをご丁寧に映画は示してくれる。 この図々しさと言うかあっけらかんとした洒落のような演出。 清水宏渾身の(といっても力が入っているようには見えないのだが)、人生讃歌だ。 ♪小原庄助さん  なんで身上つぶした?  朝寝・朝酒・朝湯が大好きで  それで身上つぶした  ハァもっともだもっともだ 特に力強いメッセージを与えてくれる映画ではないが、ほんの少し涙と滋養が溢れる映画です。

  • ********

    5.0

    清算と自由

    1949年。清水宏監督。裕福な家に生まれながら酒飲みで人の相談を断りきれない男(大河内伝次郎)が、「小原庄助」そのままに生きてだんだん没落していく様子を描く。借金してまで人助けをして自分も酒を飲んで遊びまわっている男が、実は旧家の家柄をすっかりこそげ落として自由になりたかったのだというのがあとでわかる。ラストで、別れたはずの妻が戻ってきて二人でどこともなく歩いて去っていく姿はすばらしい。名作。 もちろん大河内伝次郎は何を言っているのかよくわからないわけですが、頼まれごとをしたり借金をしたりすればいずれどこかで「清算」せねばならず、先延ばしにしたその「清算」が最後にやってくるという話です。そしてそれは単に苦しいばかりではない。先延ばしにする過程もひょうひょうとしていて面白いし、面白いだけでなく美しい場面もある。特に雨のなかで傘をさす伝次郎。よくできている。 借金を清算し、家柄も清算し、つまりこれまでの「小原庄助」に託して生きてきた人生をすっかり変えていこうというラストは感動します。

  • bakeneko

    5.0

    ネタバレ和製“山猫”?

    このレビューにはネタバレが含まれています。

スタッフ・キャスト

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大河内伝次郎杉本左平太
風見章子妻おのぶ
坪井哲おのぶの兄正太郎
飯田蝶子おせき婆さん
川部守一伜幸一
田中春男紺野青造
杉寛茂作老人
宮川玲子娘おりつ
鮎川浩情夫哲男
日守新一吉田次郎正

基本情報


タイトル
小原庄助さん

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
-