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小原庄助さん (1949)

監督
清水宏
  • みたいムービー 5
  • みたログ 28

4.00 / 評価:12件

なんで身上つぶした?

  • ぺぺぺぺ さん
  • 2011年9月6日 9時56分
  • 閲覧数 780
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

清水宏で3本揚げよと迫られたら逡巡して「蜂の巣の子供たち」(「洒落て言えば愛情かな」は名せりふ!)「恋も忘れて」(桑野通子がもっとも美しい!)そして「小原庄助さん」を選ぶだろう。

「小原庄助さん」は子供や新人俳優を使い瑞々しいポエティックな作風の清水宏には珍しく(とは言っても全部見てないし見れないし知ってる限りでは)、人生の悲哀に満ちたユーモアにあふれた小品である。

(おそらく)戦後、農地解放によって力を失っていく元大地主の物語。「小原庄助さん」を地で行く主人公はバカ正直で人がよく、朴訥で鷹揚である。なんでかいつもロバに乗っているのがユーモラスである。子供にからかわれても一向に介さず、朝寝朝酒朝湯を楽しむ(羨ましい)・・・それは積極的に散財し、先祖代々の「大地主」の呪縛から開放されるようでもあった・・・。

清水好みのキャラクターと社会風刺とも受け取れる皮肉とペーソスに満ちた物語。
大河内伝次郎も風見章子も飯田蝶子も名演である。

それにもまして、暗澹とした雰囲気になりがちな物語を、老成したような達観したような清水のテンポと眼差しが何よりも優しい。
(でも現場では大河内先生とぶつかってばかりだったとか)

すべてを失った「小原庄助さん」は、いったんは姿を消した妻とともに歩いてゆく。

そこに被さる「つづく」というエンドマーク。
もちろん続編を企図したものではない。

「小原庄助さん」の人生が「つづく」ことをご丁寧に映画は示してくれる。
この図々しさと言うかあっけらかんとした洒落のような演出。

清水宏渾身の(といっても力が入っているようには見えないのだが)、人生讃歌だ。

♪小原庄助さん
 なんで身上つぶした?
 朝寝・朝酒・朝湯が大好きで
 それで身上つぶした
 ハァもっともだもっともだ

特に力強いメッセージを与えてくれる映画ではないが、ほんの少し涙と滋養が溢れる映画です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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