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私刑(リンチ)

bakeneko

5.0

ネタバレそっ、そいつに交代するか?

昭和初期から戦後直後までの東京の2世代に渡る下町&ヤクザの盛衰をバックにして、犯罪に関与して仲間から逃げ続ける男の半生を描いた“社会&人間ドラマ+犯罪サスペンス”であります。 昭和初期の東京の縁日に、やくざ稼業から足抜けして好きな芸者:花井蘭子と結婚するために、みかじめ料金+檀家の黄金の阿弥陀仏を盗んで逃亡した主人公:嵐勘十郎が、裏切った兄貴分:東野英治郎を正当防衛で殺害し、仲間のリンチを恐れて自首し獄中に逃れるが、18年の歳月を経て戦後となって出獄した際に仏像で儲けようとする旧知の兄貴分:進藤英太郎一派に捕まって…という話に、服役中に生まれたドライな娘:久我美子や嘗ての親分の息子:池部良ら新世代の若者が絡む筋立てとなっていて、いつもの超人的な強さではない等身大のやくざを嵐勘十郎が演じる他、田中春夫が十八番の酔っ払い演技を披露しています。 久我美子(役と同じ18歳♡)が半不良少女を元気一杯に演じて歌声も披露してくれる作品で、焼け跡のバラック商店街やドブ川、闊歩する愚連隊(当時はフーテンと呼ばれていました)…等の世相描写もリアルな映画ですが、終盤のクライマックスは“まさかの唖然展開”に瞠目する活劇となっていて、劇場が笑いでどよめいた映画でもあります(製作当時は誰も指摘しなかったのかな?)。 やくざの登場キャラクターの2世代に渡る逃亡と葛藤をサスペンスフルに活写して手に汗握らせてくれるオールスター娯楽作で、クライマックスの仰天展開は“車を運転することが出来るものが稀だった”世情を反映していますよ! ねたばれ? 何で私だけ私刑されなきゃならないのよ!―怒(by若水の女将: 清川玉枝)

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